内容説明
本書は、近世における京都町家の形成と展開の過程を事例として、町家が住居形態として一定の類型を保持し、存続してきた背景としての建築的、技術的、社会的、都市的な要因の解明を試みることを目的としたものである。
目次
第1章 近世初期における町衆の住居とその数寄的空間
第2章 近世中期における京都町家の建築構成について
第3章 天明大火直後の京都における町家普請―寛政二、三年「注文帳」を中心に
第4章 三井家京都本店の建築について―江戸時代における大規模商家の普請
第5章 宮津元結屋三上家の建築と普請
第6章 町家大工「近江屋吉兵衛」とその営業形態―江戸時代における町家大工の生産活動に関する一考察
第7章 「近江屋吉兵衛」と祇園町南側の開発
第8章 近世京都における新地開発と「地面支配人」―鴨東・河原の開発をめぐって
第9章 近世都市における町並み規制と景観
第10章 町家と坪庭