内容説明
東海地震がやがてくるといわれてから、もう20年を過ぎようとしている。静岡県を中心とする地域について見ると、関東大地震(1923)にはじまり、北伊豆地震(1930)、静岡地震(1935)、東南海地震(1944)と、このころは10年もたたないうちに次々と大きな地震が静岡県を襲っている。このことから考えると、それ以後、1974年と1978年に伊豆半島で被害地震はあったが、ここしばらくの間、この地域は大地震に出会っていないことになる。そうなると大地震に対する基本的な備えが、いつの間にか薄らいでいるのではないかと懸念されるこの頃である。本書は1984年(昭和59年)以来、毎年静岡市で開かれている「東海地震防災セミナー」において最近4年間になされた講演をもとに、これまでに起こった地震と災害、特に阪神大震災からどのような教訓を東海地震に生かすべきかを念頭において、講師が改めて書き下ろしたものである。
目次
第1章 東海地震はどのように近づいているか(最近の地震活動からみた東海地震;最近の大地震の特徴と教訓 ほか)
第2章 東海地震の津波をどう防ぐか(東海地震で予想される津波―過去の東海津波被害から;津波の災害をどう防ぐか―津波のメカニズムと防災)
第3章 東海地震を乗り越えるにはどうすればよいか(神戸の経験から東海地震対策は何を学ぶか;これからの建築物の課題 ほか)
-
- 和書
- わずか一しずくの血