内容説明
家康の経済ブレーン茶屋四郎次郎。大御所時代の駿府は朱印船貿易の中核、世界に開かれた情報発信基地だった。
目次
第1章 茶屋家の出自と家系(先祖は信濃守護小笠原氏の家臣か;初代四郎次郎清延と家康とのかかわり;本能寺の変と「神君伊賀越え」;清延は「家康情報局京都駐在所長」;二代茶屋四郎次郎清忠;三代茶屋四郎次郎清次;糸割符制度と長崎貿易)
第2章 朱印船貿易とは(朱印船貿易研究の到達点;江戸幕府の朱印船貿易の実際;朱印船貿易のセンターだった駿府)
第3章 茶屋家の朱印船貿易(「茶屋新六郎交趾渡航図」について;茶屋船の航海;順化と広南の鎮営に赴いた船長茶屋新六郎;交趾におけうる茶屋家の交易)
第4章 安南との外交に尽くした茶屋家(国交の開始;日本と交趾との外交;茶屋家と交趾;茶屋新四郎の探宮;日本からの武器の輸出;日本と東京の外交)
第5章 その後の茶屋家(家康の発病と茶屋四郎次郎清次;大航海時代から「鎖国」へ;「鎖国」への動きと茶屋家;シャムとの国交断絶とその波紋;夢と終わった朱印船貿易の再開)
著者等紹介
小和田泰経[オワダヤスツネ]
1972年(昭和47年)東京生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期退学。歴史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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でろり~ん
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期待はずれでした。2007年に静岡新聞社から発行されているが、駿府という土地が果たした役割として朱印船貿易を取り上げ、家康と茶屋家の再評価の契機にしたいという思惑が、発行側にあったのかもしれない。特に目新しい事実が記されているわけでもなく、大胆に興味を引くような想像を展開しているわけでもない。資料の裏付けによる事実の積み上げしか認められない、という筆者の態度は正しいし、非難されるべきものでないことは当然だけれど、茶屋家の役割が商人としてのものに限定されているのが残念でした。ま、書かされた、ということか。2016/02/13