内容説明
不安定な時代のただなか、かわらずひとり書きつづける。かろやかに切実に、くりかえし、詩のはじまりに立つ９１篇。『ことばの薄日』と同時刊行！
目次
２０２０．０４ 薬缶（薬缶；やつめうなぎ ほか）
２０２０．０６ 不穏（ぬかるみ；こだま ほか）
２０２０．０８ 野垂れ梅雨（音色；なあ、塩島 ほか）
２０２１．０７ こきゅうのように（丸十パン；イノセント ほか）
２０２２．０１ たくおん（たいらなほしは；しょくとう ほか）
著者等紹介
山本育夫［ヤマモトイクオ］
詩人、ＮＰＯ法人つなぐ理事長。１９４８年２月１１日、山梨市生まれ。個人編集詩誌「博物誌」編集長（一～五十一号）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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山本育夫の不穏さは何だろうか、と読んだ後に考える。例えば、言葉は極めて平易だし、詩語に寄りかかるような安易さは決してない。ただ、この詩で賭けられているのは「言葉」にはならないざわめきとしての「ことは」の微細なつぶつぶであり、そのつぶつぶの何よりも手触りでもある。よく考えていれば処女詩集の『ボイスの印象』から何も変わっていないとも思うが、言葉としては充全に立ち現れない、それゆえに不気味なものとしての「言葉」＝「ことは」と「詩」＝「し」の結びつきが何よりも強烈。2024/09/11
