内容説明
伸びやかな言葉とたしかな意志で季節を渡っていく、詩の風、散文の川、生をあざやかに書き継ぐ第1詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
17
川をするという合言葉で河川敷でぼーっとする彼がいて別れた詩は「方丈記」みたいだったが、正月にイオンのフードコートに集まる人のなかでテーブルを拭いたりするバイトをしていたり、家庭不和の詩だったり(祖母と母の不和とか)、父が死んだ葬儀の詩だったりするのだが、妹の失踪が警察沙汰になったりしたあとでラストに妹のメッセージの詩で「妹よ/ よく聞け/ 私たちの用事は決して/ よく生きることではない」言葉の締め方がいい。ダメ人間の応援歌のような詩集。2024/11/30
むむ
1
ぽんぽんと話が進んでいく。明確には表現されていないが、何となく情景が浮かぶ。2024/12/01
スターガール
1
「川の傍で縄跳びをしている人がいる。それを座って眺めている人がいる。橋を渡るとき、風がつよく吹いて、でも、トラックが過ぎ去った後など、どこか一瞬、人々の声がはっきりと聞こえる一瞬がある。そんな時、私は歩む力を足に込める。(…)信号が変われば交差点を渡る、信号の脇の街路樹を見上げる、春の枝葉は子どもらの背比べのように息を止めて胸を張っている。」2023/06/05