内容説明
文学的挫折をへて『一握の砂』を刊行、揺れる時代を鋭敏な感性で切り拓きつつも夭折した石川啄木。「アララギ」の師・伊藤左千夫との対立のなかで自らの歌と歌論を磨き上げ、『赤光』に至る斎藤茂吉。二人の若き歌人の、ときにすれ違い、ときに重なる足跡を辿り、近代短歌の結節点をとらえなおす交差的批評。
目次
茂吉の出立
『赤光』以前
縮みと集中・余話
茂吉の目
啄木と自然主義
初期茂吉の歌論
啄木の謎
左千夫と茂吉
若いアララギ
茂吉のかたち
啄木の内部急迫(drang)
茂吉の内部急迫(drang)
私にとって歌とは何か あとがきにかえて
著者等紹介
倉橋健一[クラハシケンイチ]
1934年、京都市生まれ。60年、「山河」同人。以後大阪に留まって表現活動を続ける。70年、「犯罪」を編集。72年、「白鯨」創刊同人。「火牛」を経て現在は「イリプス」同人。詩集に『倉橋健一詩集』『凶絵日』『寒い朝』『暗いエリナ』『藻の未来』『現代詩文庫・倉橋健一詩集』『異刻抄』『化身』(第31回地球賞)『唐辛子になった赤ん坊』『失せる故郷』(第55回歴程賞)『無限抱擁』(第40回現代詩人賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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