内容説明
清冽なる心音―。水面を吹き抜け、傘を開いてゆく言葉たち。第57回現代詩手帖賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinakko
4
“梨を四つに、切る。今日、海のように背筋がうつくしい/ひとから廊下で会釈をされて、こころにも曲がり角があ/ることを知った。そのひとの瞳には何か遠くの譜面を読/むようなところがあり、小さな死などを気にしない清々/しさを感じたために無数にある窓から射し込む陽光が昏/睡を誘ったけど、それはわたしの燃え尽きそうな小説/だった。” “針葉樹林を抜けた風がわたしを透過する。あの子は窓で/はないのだけど、喜捨をする面差しで遠くを見つめたか/ら、わたしはそれをゆっくりと褒めた。鬣の手触りのな/かにわたしたちの冬がある。”2022/11/15
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3
「昨日盗まれた、/新雪/始発のバスが/紙を破る音のする方へ/カーヴしてゆく街の/その音を聴き/金属に触れ/口唇を濯いで/休符という休符に/身体を/重ね」(「風邪city」)2020/12/05
Nene
1
どの詩にも透明感がある。雪の積もった朝の、澄んだ空気のようなイメージがある。2025/02/10
Э0!P!
1
結び目のない風、コップ一杯の水の冷たさにわたしはわたしを屈折させて2023/09/10
せいきゆりか/つん
0
散文詩のかなり上澄。2025/04/20