感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cell 44
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「口に啣えた太刀を右手(めて)にとるようにしてこういうという。ーー/ぼくがねたら 雨(비)にうたれるべき「犬」という隠喩(イヌ)は/膝が震える友にあたたかな意味をつけ加えるだろう「男の子がいてね、道を/歩いているんだ」豚(ピィ)の脂(ヤニ)にぬれた・/時給幾らの銃弾の用意(ヤニ)を(書架のなかなかの光も/まだ届いていないように思われるのだが)しておくこと。」(「骨のない幽霊 三」)書体の使い分けを上手く感受できなかったので時間をおいてもう一度読みたいが、私は「犬」という韻(イヌ)もぞろぞろと思いましたよ。2020/12/13
あなた
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おもしろいなとおもうのが、○△□で、詩が区分されてゆくことで、数字とかではない。すごくでかい○とかすごくちいさな●とかもことばとならんででてくる。☆が(☆としてあらわれたりもするし、△□という区分もある。森本さんの言語世界ってたぶん、123が○△□に置き換わってしまうように、ことばの境界や作用が水のように溶けやすい世界で、だからことばそのものがどういうふうにそのつど溶けていくか、が詩として表れているんじゃないか。ことばが溶ける現場そのものも、詩だとおもうので。2021/12/20