出版社内容情報
むしろ汚染水に自らどっぷりと身を浸し
変異に変異を重ねた畸形の花鳥風月を歌ってみようか
薬が無理ならせめて毒をと!
(「現代と詩人」)
「言葉は現代に汚染されつつ 現代から養分を得て生き延びている」と著者は書く。「生きている限り 吸った息は吐かねばならぬ 吐けばそこに言の葉の繁るのが詩人の悲しき性」―とすれば?猛烈な詩の毒をもって、いままさに起こっている問題に踏み込んでいく冒険作。新詩集2冊同時刊行!
四元康祐[ヨツモトヤスヒロ]
著・文・その他
内容説明
もっと奔放に、野方図に、私たちを取り巻く現実の諸相に詩の触手を伸ばして。自由詩のゆくえ。
目次
オ・モ・テ・ナ・シ
ニッポン万歳
Je suis女
村中みんなで子供を殺す
彼
日本国憲法・前文
ヒロシマ音頭
広義の密約
イマジン
現代と詩人〔ほか〕
著者等紹介
四元康祐[ヨツモトヤスヒロ]
1959年生まれ。詩集に『世界中年会議』(山本健吉文学賞、駿河梅花文学賞)、『噤みの午後』(萩原朔太郎賞)、『日本語の虜囚』(鮎川信夫賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロア
34
ことばの不意打ちが心地良く、とても好み(∩^ω^∩)四元さんのプロフィールをまったく知らずに手に取った詩集。詩の雰囲気から、大御所ミュージシャンが本名で詩集を出しましたよ的な本かと勝手に思ってたら全然違った!会社勤めのオジさんだった!(今は違うのかもだけど)会社員のオジさんがこんなカッコいい詩を書くなんて…書くなんて…(*゚ω゚*)ステキ!✳︎✳︎✳︎あ、カッコいい詩というか、冒頭から笑いっぱなしでした!深夜に音読して遊んでたんだけど、 3行ごとに吹き出した(^ω^)2017/06/16
ロア
21
まだ英語を習い始めたばかりの我々にいきなりこの「前文」を英語と日本語の正文の両方で繰り返し読む事を強要しついにはその両方共を暗唱させてしまったのだった。自分の国の憲法に英訳があって元を糺せばGHQ草案という英文が下敷きになっていたという事をその時初めて知った。それは素朴な驚きではあったが違和感はなかった。当時私が住んでいた街の「象徴」的存在であった「広島カープ」だってルース監督というアメリカ人が率いていたのだから。寧ろ自分が憲法などという難しい文章を英語で曲がりなりにも読めるという事の方が余程信じ難かった2019/12/02
pon
4
“だから野火焼きながらお口パクパク/領土のようにワイシャツの胸元はだけて/ファック斉唱!/君の裸のダーティ・ボムの/爆破ボタンにぴんと伸ばした指先這わせて/シット三唱!” 詩集です。上の詩に惹かれて読んでみました。日本という単語が頻出するけれど、作者が長いこと海外にいる方だからか書かれている対象への独特の距離を感じます。タイトルは昭和初期の日本の詩を嘆いた朔太郎の言葉だそうですが、ここでは価値を反転させられています。2017/08/13
sk
2
なかなか過激でとても良かった。2024/09/11
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