出版社内容情報
たまさかには、茫乎屋が綾とりとして魅まれ、紀伝体で田をぬく千鳥足になる。だからぼくは手真似で食をつくる。本で読むように疲れは餅の擬にも滲む。消入りそうな風采で骨だけを遺す一寸試だ。
(「かるたぜ」)
「「発音」と「語意」に関わる読むことの運動に軋みを与え、そのことによって「抒情」は像としての輪郭を奪われる」(稲川方人)、「詩人が、ひとりでも踊る覚悟で、己の極みとして歩行を進めることは、単純化された言葉が支える社会へのアンチテーゼの他ないだろう」(藤原安紀子)。現代詩手帖賞受賞から2年、未見の領野をひらく第1詩集。装画=若村大樹
森本 孝徳[モリモトタカノリ]
著・文・その他
著者等紹介
森本孝徳[モリモトタカノリ]
1981年神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
67
一度、読んだ時に読めずに戸惑う漢字が多かったです。同時に本来、平仮名のままでもいいものも感じに変換されていたり、漢字のルビもその漢字の意味するものとは違っていたり、実験的。意味から引き離された、表象イメージとして湧き上がってくる文字の中に身を任せ、漂うような詩集。因みに「零余子回報」と書いて「むかごかいほう」と読むそうです。2018/07/09
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6
「菓子は播かれるだろう。雨蔬をかたむける甘いくさりの吃緊になおももちこたえて、ささなさのなか、息のソのねを尋めて当麻に、あてがわれた記帖の黄ばみを飲食にもさらすのだろう。」(25ページ) 全然読みかたが掴めなかった……。2017/11/02
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4
特殊なルビや異語によって一見拡散的に見えるのだけれど、実は周到に語やイメージの連繫が図られていると思う。2020/01/24
けいこう
4
まったく読めず。とまったり、ころんだり、つまずいたり、したまま力尽きた。2017/05/14
わたなべ
3
文字数の多いページがよかった2016/10/06