顔をあらう水

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  • サイズ B6判/ページ数 124p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784783734987
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

出版社内容情報

構図のみじろぎ、
着ているものを脱ぎながら
失われた眠りの
入り口へある日、踏み出す
(「骨格散歩」)


意味と音韻の呼び交わす複眼のことばが、時間/空間をおおきく振れていく。新世代の旗手がついに放つ、8年ぶりの新詩集。未知の場を照らしだす、渾身の試行28篇。
装幀=奥定泰之

蜂飼 耳[ハチカイミミ]
著・文・その他

目次

骨格散歩
びょう、びょう
戦後野原、いまここの
そよがせながらいざるとき
ゆえに、そこにそらの
話題
顔をあらう水がほしい
骨拾い
ある死
籠〔ほか〕

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

23
☆☆☆ 直近の詩集。とは言ってももう9年も経つ。蜂飼耳の詩は難解に、そして高度になっている。何故か原始を思い起こさせる言葉が多い。「骨格散歩」直線または曲線のビルというビルが/ある日の、/角膜に届けるものは/押しつけてくるもの、刻むもの/ある日のそれは、/またたきの隙間で脱皮する都市/(鱗の破片は宙で溶けゆき)/地面からの離れ具合と/街頭 街路樹 たいくつな窓/四角や丸の、窓という窓に埋まる/見えない思惑 疑惑と寛容 見えない発情/(やわらかい窓 拒絶する窓)〜 2024/10/20

太田青磁

11
踏まれれば鳴きだすしっぽを私も/生やしていて、気がつけば/それは塵 塵 塵を掃いている/ひろい道、細道、掃いてみて、/びょうびょう鳴けば、/新たな闇に、また選択もなく、生まれるのです「びょうびょう」・口からの言葉は境界を書き換え/口からの言葉は他人の脳を捕獲/口からの言葉、人を、この人、をーー「ゆえに、そこにそらの」・前日に対面した人がじつは/職場から追放された人だと/知らされた顔は/どこへ向ければいいのか「話題」・谷から谷へと赤に染まる/こなごなに砕けて/土に還った/鹿の声に/夕空は底まで乱れた「丹沢」2016/09/22

林克也

2
これは2011.3.11以降に作られた詩だ、と思って読み、巻末の初出一覧で確認すると2008年の作品だったりする。例えば『リアリティー』の中に「人災天災、同じひとつの画面からこぼれて」とある。3.11で日本は、日本人は、確実に何かが変わったと思っていたが、実は多くの日本人は昔から何も変わっていないぞ、もともと思考停止を好む種族なんだ、ということを言っているのではないかと思った。2015/12/29

ますたけ

1
ドキッとした。2020/05/29

7ember

1
「スプーンですくえば」とか「まばたきすれば」みたいな軽やかなイメージを使って、カタストロフィックな破壊力や爆発的エネルギーをポンと出してくる当たり、お見事としかいえない。他の細かいところでも「みるまに」とひらがな表記を用いることで副詞の「みるみる」を喚起させせる表記のたわむれ、「仕組まれた死」というような音のたわむれ(「シ」の音で始まり終わるように「仕組まれ」ている)などの技巧があって、読んでいて面白い。2016/03/01

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