内容説明
さあ雲売り売っておくれ、あの雲を僕の雲にしていっしょにながめよう。すかんと立派に晴れた雲びよりには、きっと雲売りがやってくる。うつろう雲の下の出会いと出発の物語。
目次
赤んぼうのよだれの小さな光
もう売れてしまったので
一番にきてくれた日
小さな空で目をならしてから
待つ時間
所有はややこしい
四分で消えてしまう雲
いつもとちがう雲売りがくる
夕焼けの前までにだれかを
雲売りがくる前のひとりごと〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
2
詩集です。でも、繋がっていて、全体でひとつのおはなしになっています。雲売りと、僕との、雲をめぐるおはなし。雲売りは、雲をほしい人に、ひとひら、いくらで、雲を売る。所有はいさかいのもとだって、雲売りを、たしなめる人がいるけど、そういう人はまちがった所有をしているんだ。それなのに、とても立派そうにいうけどね。ある日、僕は、悲しいことがあった。すると雲売りは、これはどうですかって、水たまりの雲をすすめてくれたんだ。雲売りは、雲のことを、ほんとによく知っている。30分もあれば読めてしまうけれど、しっかり残ります。2015/01/26
カヤ
1
雲売りと、雲を買う僕の詩。繋がっていて、物語になっている。青と白の優しい物語なのだけど、最初からずっとかなしかった。切ない、というか、かなしかった。儚さ?よくわからないけど、とても好き。この方の他の詩もよみたい。2016/12/13