内容説明
詩と革命の時代、そのエネルギーの頂点をなす「黄金の書」ふたたび。疾走する精神を奇蹟的に刻み込んだ名詩集が、時代を画した赤瀬川原平の鮮烈な装幀とともによみがえる。
目次
朝狂って
燃える
海の恒星
今朝も道玄坂をおりて
花・乱調子
落下体
波のり神統記
渋谷で夜明けまで
反乱
火がみえる〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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9
近代以降の詩には、自らを「歌」から切り離すことが必要とされるにも関わらず、同時に「歌」=韻律をまったく無視することができない、という根本的な矛盾による困難があるのだが、吉増剛造は誰よりもそれをよく認識している。その困難のなかで、詩人は、詩集を「ぼくは詩を書く」という一行からはじめ、「歌う詩人は殺されなければならぬ」と言わなければならず、同時に、「ぼくは歌だ」という言葉を「宇宙論(レイアウト)」し、「韻律を彫りこみはじめる」のだ。2018/05/04
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5
下北沢に行く用事があったので久しぶりに読んだ。いまの下北沢は子どもがたくさんいて不吉な街ではない。2024/04/21
けいこう
5
決まった形を拒む歩行よりも速く走り抜ける。高揚。2018/03/01
gu
4
何が書いてあるのかわからないが高揚感だけは確実にあってそれが気持ちいい。「ぼく」「私」が頻出するのに一人称の煩わしさは不思議と感じない。2017/01/09
gu
3
即効性のある詩ということを思った。一語、一行ごとのイメージの炸裂、それを矢継ぎ早に叩きつけることによる暴力的なまでの加速。理解より先に納得、というより高揚がある。下北沢不吉2022/06/21




