内容説明
「二十一世紀をむかえた人類は、この困難な時代から、どう抜けでるか。その責の一端をわれら現代詩にたずさわる者は負っている」(あとがき)。「小族」=日本列島に住む民族、「縄文・弥生(擦文)」を生きた、何ものにも替えがたい血族の人格のこしかたを、世界の普遍の眼から照射せんとする壮大なる試み。
目次
天の前後・鹿群の前後
古い海 太平洋残照
点をのせていた朱夏
古い海 地を負う者の祭りのために
古い海 半化粧・夏至を揺れる化け葉花の天
臘祭の日
半島
古い海 死刑執行人サンソンの手紙
海族の小さい湾(小族の海)
私の白い雪の箱の場所
野球服の少年
ワレモコウ(吾亦紅・小さな海)
座敷牢(the earth)
オホーツクの海
金箔をはきうつ小族
海日を失った日
蔵のなか
筏海
火を浴びた小族の海
小族の振る旗
抱卵の海(黒塗りの椀)
神々の原 杜鵑の列島
姫鱒(ひめます)・支笏湖
圧迫の古層にためられたミカンの黄のいろ
著者等紹介
尾形俊雄[オガタトシオ]
1926年北海道生まれ。日本詩人クラブ・北海道詩人協会会員。詩集に『黄色いみずのなかの杭』(北海道詩人協会賞)など。北海道苫小牧市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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