内容説明
出逢うのは骨格のないもの、半分だけの人、透明のトリのようなカナシミ、茫洋とした他者ばかり。自分だってにじんで萎びて揺らめいている。まじりあって溶けあって、だんだんとぼんやりとしていく、いちにちの、じんせいの、暮れがた。にじり寄ってくるあやかしが、なまあたたかい息でささやきかける言の葉。
目次
小皿のしみ
夜想図
しましまの
絵日記入門
彼
てんてん
はがれ
飯に箸を立てる
「人参考」手控
座〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まみ
8
濃い・・・どろどろした極彩色で臭いも強くて酔った。嫌な汗かいた。死を思えば思うほどなまなましく生きてしまうのね。2012/06/27
misui
5
後書きで言われているようにどんどんゆるくなってきて、異形は異形のままに、普通切り捨てるような表現もなるべく生かされていると感じる。たとえば括弧による補足とか、別にそんなの説明せんでも…みたいな記述が挟まれて、押し拡げつつ細部を取りこぼさない。だらしないと見るか優しいと見るかで評価は変わってきそうだ。2015/02/27
