内容説明
智慧の花園ソネット、アントニーの情念の仇討ち、断固決断するハムレット…。「読む者は誰でも自分の分身に出会える」というシェイクスピアの劇と詩の精髄を伝える名句名言を選び抜き、原文と訳と解説を配した画期的一冊が登場。
目次
『リチャード三世』より この口先だけのご立派な世間、色男で通らぬとなれば手は一つしかない。あっぱれ悪党になってやる。
『マクベス』より 人の一生とはうつけ者が唱える物語
『ソネット集』より わたしの恋は熱病のようだしかもその病気がさらに長引くことを憧れている病気だ
『夏の夜の夢』より 詩人のペンはまったくの空無に一つの確固とした居場所と名を与える
『お気に召すまま』より 世界はすべて芝居の舞台
『ジュリアス・シーザー』より お前もかブルータス
『ハムレット』より 尼寺へ行けなぜ罪深き子の母親になりたがる
『ロミオとジュリエット』より ロミオロミオどうしてあなたはロミオなの
著者等紹介
関口篤[セキグチアツシ]
1930年、朝鮮春川邑に生まれる。詩誌「砂」に拠り50年代詩人として登場。英米詩を専攻して、フェリス女学院大、法政大学で教鞭を執りつつ、知性と感性の均衡のうえに独特の詩境を示した。西脇順三郎に私淑し、詩集『アフリカ』で「荒地」に次ぐ世代の詩人として評価を受け、『梨花をうつ』で室生犀星賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
1
シェイクスピアの言葉を、いくつかの戯曲やソネットから取り出して解説したものです。取り上げた題材は、「リチャード三世」(17)、「マクベス」(20)、「ソネット集」(7)、「夏の夜の夢」(1)、「お気に召すまま」(1)、「ジュリアス・シーザー」(18)、「ハムレット」(21)、「ロミオとジュリエット」(14)。入門編として、あの名句はどうだったっけと見直す材料として、楽しめました。本格的にシェイクスピアを楽しむようになると、これ一冊ではもの足りなくなってくるでしょうけどね。2009/04/18
HENSHUU
0
「シェイクスピアが書いた科白のベスト集」みたいな本は意外と他に無いので、シェイクスピアの凄さを包括的に感じるにはうってつけの一冊です。 各科白に、いかに表現として巧みか、という編者・関口篤さんの解説があり、関口さんの詩人としての気概が伝わってきて面白いです。2013/06/26
-
- 和書
- 知的創造とワークプレイス