内容説明
「愛も死も芸術なのよ!」―シルヴィア・プラスの伝記小説『ベル・ジャー』から最後の『エアリアル』詩篇まで、5名の日本最尖鋭の学者・詩人が新たに50篇の詩の完訳と、テッド・ヒューズの『誕生日の手紙』から10篇の相対詩篇(抄訳)を透射させ、これまでのフェミニスト偏重の伝記評論を打破し、フィギュール(形象)論的、かつ逆構築的霊知の視界から、シルヴィア・プラスの昇化と聖化の神話構成詩に、真直な読み/解義を与える。
目次
第1章 愛と自殺未遂と再生―『ベル・ジャー』の時代
第2章 心と風景の対位法―シルヴィアとテッドの三つの相対詩篇
第3章 巫女シルヴィアとその仲間たち―『巨像』における異界と幻視
第4章 破局とカタルシスへの途―『水辺を渡って』に見る歪む男女関係
第5章 女性存在の不安と終局と昇化―『冬の木立』における反男性世界
第6章 「極限」Edgeと「木霊」Echo 「樹」と大夢と喪失の傷痕―『エアリアル』詩篇:「生命の樹」と「受難の樹」
第7章 「火」と二つの顔―『エアリアル』詩篇:「赤」と「黒」と霊化
第8章 「極限」と死の手紙―『エアリアル』詩篇:女の完成と詩の星化
附章 シルヴィア・プラス年譜
著者等紹介
高市順一郎[タカチジュンイチロウ]
1939年、徳島生れ。1964年、広島大学大学院文学研究科修士(英文学)修了。1979‐80年、英国ケンブリッヂ大学客員研究員、1992‐93年、米国イェール大学大学院客員研究員。2000年、筑波大学より論文博士(文学)取得。桜美林大学文学部教授。日本英文学会・日本アメリカ文学会・日本比較文学会・日本国際ペンクラブ・日本現代詩人会会員。日本英米詩歌学会理事・会長。『ジャパン・ポエトリー・レヴュー』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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