内容説明
雑誌「詩学」によって詩を支えるかたわら、生の根源的なテーマを限りなく追いこんで自らの詩を彫琢した詩人の全貌。生前刊行された詩集全七冊をはじめ、単行本未収録詩篇、未発表詩篇を完全収録。丹念な調査に基づく作品解題、青土社版「自己“半年譜”」を増補した詳細な年譜を付す。
目次
『愛と死の数え唄』１９５７
『魂の中の死』１９６６
『時刻表』１９７５
『開かれる日、閉ざされる日』１９８０
『土地の名～人間の名』１９８６
『ＯＢ抒情歌』１９８８
『小詩無辺』１９９４
詩集未収録詩篇
未発表詩篇
感想・レビュー
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kentaro mori
1
⚫︎あらゆるものが／それぞれその上に一つの空を持つている／しかし 死が持つている空がもつとも広く 深く 遠い／その空を見たものはない／だが 子供だけが見る／夢の中で その遠い空を見て寝がえりをうつ／その時 掌は固くとじて 小さな拳を作つている⚫︎死は肉体のなかでは死なぬ／思考のなかをほんとうの死はやつてくる／鳥の墓は太陽のなかに在る／そして人間の墓は言葉のなかに在る2025/08/05
