内容説明
ふとしたことがきっかけで、半生をグラリと傾ける。その一瞬にも詩は隠されている。光る塩のような詩を追って、大通りから裏通りへとつんのめっていく。中原中也や辻征夫たちも歩いた、おかしくて、少しさみしい詩の路地裏をあじわいつくす―日常をはみ出すための新しい詩のエッセイ集。
目次
落丁の多い書物
いい年というのは
不在の部屋の電話が鳴るのが聞こえた
元気でナイーヴだった人々が
四十になったら自分の顔に
どうしても隠さなければならないことがある
目だまを入れかえるころあいかと
知らない太陽が知らない土地の上に
望遠鏡を、反対から覗いているようで
いつもどこかへ行く途中だった〔ほか〕
著者等紹介
北川朱実[キタガワアケミ]
1952年、秋田県に生まれる。『ラムネの瓶、錆びた炭酸ガスのばくはつ』(思潮社)第二十九回詩歌文学館賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件