内容説明
夢想と慰めを求める読者をいまも惹きけてやまない詩人リルケ。隠遁生活に終始しながらも、さまざまな同時代人と深く交友し、20世紀初頭の芸術と思想の核心に位置しつづけた、全き詩人の生涯とは―。『マルテの手記』『ドゥイノの悲歌』の読解から、日本のリルケ受容までを射程におさめた力作評論。
目次
パリのリルケ
リルケのブルゴーニュ
リルケとホイジンハ
ブルクハルト対ホイジンハ
ラインの流れの文化
ウェーバーにおけるリルケとゲオルゲ
中世騎士から近代英雄へ
フランス象徴詩とリルケ&ゲオルゲ
十年遅れのピカソ新発見
ヴァレリーにとってのリルケとポー〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuta Shimizu
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非常に読み難い評論でした。あまりに論点が錯綜しており、題名に沿った学問的姿勢が貫かれているとは思えません。何度も出てくる「言わずもがなだけどこれって〇〇○だよね」という無意味な知ってますアピールは、評論そのものを批判したリルケをあえて評論する作品としての誠実な姿勢を欠いており、時折不快感すら催しました。 とはいえ、著者がリルケの人生に対して感じることを随筆にしたと捉えれば、いくつか興味深い視点も見受けられました。リルケや同時代の芸術家について知りたい方ならば、楽しめる部分もあると思います。2019/09/17