内容説明
現代詩の言葉と日本語の古層を繋ぐ複雑なミッシング・リンクを読み解くことで、詩の言葉に深く宿る負荷と禁忌の構造を明らしめる。中心が空虚たる「さみなしにあわれの構造」を日本語の特性と見定め、そこから果敢に解読される折口信夫、入沢康夫、吉増剛造、稲川方人らのテクスト群。批評自身があげるきりもむような多声を反響させて、「うた」の発生と詩のエネルギーを模索する、現代詩の挑発的フィールド・フーク。
目次
第1部 「さみなしにあわれ」の構造
第2部 詩の「打ち震える」場所
第3部 生き延びる喜劇
第4章 死者と予兆