内容説明
〈作法〉とは、物と感情とを媒介する職能的技能の所産である。日本建築に一貫して流れる秩序を明晰に抽出しながら、西洋近代建築の合理性と日本の伝統的装飾性を併存させてきた著者の、長大な作品構築=執筆活動のなかから、色濃い文明論・歴史観が刻印されたエッセイを収録する。急逝した建築界の重鎮の遺稿集。
目次
建築の本質
現代建築のこと、伝統のこと
書院造りと工匠の系譜
手法としての「間」
能舞台と能楽堂
建築と作法
演者と見者
能における神性と離見
古典の創造的昇華
和風の表現技法
ヨーロッパ空間創成の歴史
建築と文化
併存混在としての日本文化〔ほか〕