内容説明
アメリカ・インディアンの詩の決定版。これらの詩において、言葉は霊力をもった「言霊」であり、詩の中のリズム、描写、一語一語は力強く美しい。のみならず、独自のユニークな世界観を表明している。現代の私達の「文学」やものの考え方に必ずや活力を与えるにちがいない。自然・動物、ゴースト・ダンスの詩、呪術的な饗宴・麻薬の詩、トリック・スター=コヨーテの譚、子守唄など充実の98篇収録(初訳を含む)。英米文学界第一人者の著者の詳細な解説で、詩の魅力と背景を解明。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奴が岳魚
1
高校の頃に出会って、折に触れ読み返している本。タイトルにある通りの魔法はこの本には込められていない。言葉にやどる魔法とは、音律に宿るからで、(例として上げれば密教徒が意味を越えてサンスクリットをなぞるように)翻訳しちまったら、元も無い。が、此処に挙げられた訳詩は、限りなくプリミティブで、格好いい。素直な自然観察からなるイマジネーションの渦がぐるぐる回っていて、なんじゃこりゃと、驚き思わずレジへ本を持ってった 16年前の自分の衝動を、誉めたい。おかげで、未だに、この本から、多くのものを得ている2014/01/27
龍國竣/リュウゴク
0
インディアンがこれほど豊穣な言葉を、文化を持っていたとは。著者による論考と共に詩が収録される。ここには素朴な詩も、耽美な詩も、カリグラムも、エドガー・アラン・ポーにも比肩できる幻想的な作品もある。白人侵入より前のアメリカに無知だったことを恥じる。2014/10/01