内容説明
空気がゆっくりと大きな波のように寄せてくる、そんな「風」がここには吹いている。丈高い藪に迷ったり、踏み分け道を辿ったり、大樹を呆然と見上げたり…。そのような人生の森で、息子や娘、愛する人、死にいく父らに思いを馳せる詩人がいる。1979年の『毛男』以来の具象と抽象の危ういブレンドとでもいうべきスタイルから大きく変わった新詩集。言葉はブナの腐葉土から湧き出た泉のようだ。森も川も樹木も星も、やわらかな比喩として心象の色模様に染められている。
目次
杣道
子らよ、白神の森は…
イワナ
川
模型飛行機
夜の少年
四つ葉のクローバー
小公園の中学生
友達
りんご〔ほか〕
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- 洋書
- Shadowside