出版社内容情報
詩のモダンホラー
「広瀬大志の二人称は強い。それはそのまま抒情の強さだ。それは「生」の祖述ではなく「生」への意志だ」（田野倉康一）
恐怖詩学の頂点「髑髏譜」全篇ほか、10詩集から代表作を厳選。精緻で強靭な言葉の渦が現実を越えた現実を喚ぶ。
解説＝城戸朱理、野村喜和夫、川口晴美、小笠原鳥類、榎本櫻湖
広瀬大志［ヒロセタイシ］
著・文・その他
内容説明
精緻で強靭な言葉の渦が、現実を超えた現実を喚ぶ。恐怖詩学の頂点『髑髏譜』全篇ほか、１０詩集から代表作を厳選。未然の夜明けに曝される終焉と新生の光景。
目次
詩集“水階”から
詩集“アルパ但しオメガ”から
詩集“彩層ＧＩＺＡ”から
詩集“浄夜”から
詩集“喉笛城”から
詩集“ミステリーズ”から
詩集“髑髏譜”全篇
詩集“ハード・ポップス”から
詩集“草虫観”から
詩集“激しい黒”から
作品論・詩人論
著者等紹介
広瀬大志［ヒロセタイシ］
１９６０年３月熊本県熊本市川尻町に生まれる。熊本県立済々黌高等学校、明治大学文学部フランス文学科卒業。８１年に詩誌「ＥＯＮＴＡ」を創刊、８２年に「洗濯船」に参加。以後、詩誌「ｈｏｔｅｌ」、「漆あるいは金属アレルギー」、「しばりふじ」などに参加、個人誌「妖気」を刊行（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベル@bell-zou
18
「死んでるのか?」「それ以上よ」。この二言に誘われたのは深入りしてはいけない迷宮の森。終わりと死を希求する果てしないささやき。ベタリと頬を撫でるグロテスク。ひび割れた幹から覗くエロス。それらは知りたいと近づくほどに遠のく。生という絶対的なフェンスから差し伸べる手は届きはしないのに。>>言葉が次の言葉に上書きされて容易にイメージを繋げられず、特に序盤は言葉を調べながらという作業が加わり難解だった。それでもこの上質で硬質な言葉が紡ぎだす世界を少しでもわかりたい一心で苦労しながら読了。↓2020/08/13
∃.狂茶党
4
詩人はホラーと現代音楽が好きなようで、『悪魔のいけにえ２』が出てくるあたりに、仲間意識を感じてしまう。 元の詩集は異なるのだろうが、この選集では、文字組に多少の違和感が。リズム的な面への関心から、朗読の様子などが気にかかる。 恐怖の、その衝撃を言葉に変換しようとする感じで、精神的な追い詰めや、怪奇ロマンのようなことにはしない、作者の気合。 衝撃を与えることは、驚かすに近いのだが、ホラーの衝撃は、優れたギャグのそれと双生児であるので、やがて、このかたが、破壊的な笑いを生み出すのではないかと少し期待。 2020/11/05
gu
3
詩なんて全くわからないけれど確かに面白いと感じている。知らない言葉、知らない文法を浴びることができるからなのか。そもそも、(ホラー)小説や(ホラー)映画のようなプロットもストーリーも無いのに「これはホラーです」と言われてなんとなく納得できるのはなぜなのか、それがわかれば詩の楽しみ方も理解できそうな気がする。散文の『ぬきてらしる』はとても好きな書き方だ。2016/12/20
Yoko Kakutani 角谷洋子／K
2
ホラーをポエジーに昇華するという難題に取り組んだ詩人の豊穣な抒情に酔いしれました。2020/07/03
岡部淳太郎
0
『喉笛城』から読み始めて『ミステリーズ』『髑髏譜』と詩人言うところの「ホラー三部作」を読んできたが、本書によって再読。個人的には『喉笛城』に驚嘆したクチなのでこちらも全篇収めてほしかったところだが。それ以降の詩では「激しい雨（だったから死んだ）」にまたもぞくぞくさせられた。2017/03/13
