現代詩文庫
三角みづ紀詩集

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784783709831
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0392

内容説明

『オウバアキル』の登場は、新たな感性の出現を印象づける鮮烈な言葉の事件だった。ゼロ年代以降の世界に、苛烈に刻みつけられてきた詩群を集成する。

目次

詩集『オウバアキル』全篇
詩集『カナシヤル』全篇
詩集『錯覚しなければ』から
詩集(はこいり)から
連作『終焉』から
エッセイ
作品論・詩人論

著者等紹介

三角みづ紀[ミスミミズキ]
1981年4月18日、鹿児島県生まれ。東京造形大学造形学部視覚伝達学科卒業。20歳の冬より1年半あまりの奄美大島での病気療養中に、「現代詩手帖」に投稿をはじめ、04年、22歳で第42回現代詩手帖賞受賞、同年刊行の第1詩集『オウバアキル』で第10回中原中也賞受賞。第2詩集『カナシヤル』(06年)で第18回歴程新鋭賞、06年度南日本文学賞受賞。新藤凉子、河津聖恵との共著『連詩悪母島の魔術師』(13年)では第51回藤村記念歴程賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺

59
先に読んだ里山社の良書『病と障害と、傍らにあった本。』の執筆者の一人だったので手に取る。もちろん、中でもとりわけ印象的だったうちの一人だからである。表紙に「私を底辺として。」とあるが、近年の現代詩文庫は、表紙をめくったらもういきなり表紙の続きで詩が始まっているので驚く。この詩をはじめ、時々身を切られるような言葉がズンと来る。詩なので分かりにくい部分はあるが、「解りたい!」と思わせる吸引力を感じる。この人も現代の良い詩人として、私の頭の中に居る。2020/12/17

34

15
足首とつまさきへの執着がつぼ。《あ、/いきしてない、//いきしてない、/わたしのつまさき、/いきしてない、/ね、/あなた、た、た、た、たたたたたたたた》。これは、つまさきと木の根は相性が悪いので森は避けてくださいね(そのまんまの引用)、でも今週末は樹海にいくねという詩。生まれてるけどまだ生き延びてない。2019/07/03

ちぇけら

10
聞こえているか。初夏の教室で、先生はわたしを指差して云う、狂っている。勝手に引いた白線の、内側(あるいは外側)の景色をあなたは綺麗と云った、気持ちの悪い、夏。セックスには抱く/抱かれるの境界線がないから、だからわたしはするのだろう。あなたらしい遺体が波を運んで、くる。切断された薬指の異様な赤、絶望に色があるのなら、きっとあんな色をしていると思った。赤ん坊はみな泣いていた、今ではわたしだけが泣いている。裏返しの肉体でするセックスを終えると、奇妙な数式に代入されたわたしは、あたたかい右腕とイコールで結ばれる。2023/11/03

不在証明

10
「私は/にんげんがすきなのだよ/お前のみえないところから/血を流しているのだよ/ソナタ(抜粋)」―病気がちで将来の展望の無かった作者の生い立ちと作品を関連付けて語ることは間違いではないと思う。というよりも、書かれた詩群にそれは色濃くあって、居室で熱にうなされながら母親の名を呼ぶ子供のように幼さの垣間見える。解説でもあるように一歩踏み出せていない感じは否めないのだけれど、魂が生きること、生きてきたことへ目を向けた詩のいくつかに、体の丈夫だった人間には見ることの出来ない景色が表れているのではないかと思う。2017/06/21

かみしの

10
三角さんの詩は剥きだしだ。散文詩のような長さもなければ、現代詩のような難解さもない。三角さんの詩は鋭くこころを切り裂く。金子光晴や中原中也のような感覚だ。言葉が痛いという感覚は、きっと一行の短さ、言葉の連なりの平易さ、続出する「血」「包丁」「錠剤」「死」「殺」というメンヘラ語に由来する。同じワードを繰り返したり、フレーズを繰り返したり、音楽性の強いものも多い。世界に傷つけられながらも、どうしようもなく生きていかざるを得ない。“誰も少女を殺せなかった/故、皆が少女を殺したのだ”2015/11/19

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