内容説明
張りつめた息づかいで一行を刻む繊細強靱な詩魂。高見順賞受賞の『“孤絶‐角”』など4詩集を収録し、ゼロ年代を切り開いた詩人の進行形の姿を伝える。
目次
詩集「生まれないために」から
詩集「死期盲」から
詩集「丘の陰に取り残された馬の群れ」から
詩集「“孤絶‐角”」から
初期詩篇
散文
作品論・詩人論
著者等紹介
岸田将幸[キシダマサユキ]
1979年愛媛生。大学中退99年上京。詩誌「早稲田詩人」「鐘楼」「分裂機械」「生命の回廊」に参加する。早大一文卒。09年『“孤絶‐角”』(高見順賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
13
ここには「原初」への跳躍のため、一行一行に命が懸けられた強靭な詩群が収録されている。特に散文「詩を確かめる」「人と詩論の原初的全開」は、その光輝絶えることなきテキストであり続けるだろう。受け止める膂力が足りない私としては、何度でも通読してそのたびに生み出される情動を確かめ「多数形」を為すと心に刻もう。「言葉を背負うよりも言葉を背負えぬという厳しい重さの果てへ歩いて行く人の姿に、われわれは概念としても現実としても人を見なければならない」――それが「生き存えること」へ通ずると願って。2021/11/02
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4
強い倫理が息づいている詩。解説含めて密度の高い本。「新たな数式を生まねばならない」2018/08/07
kentaro
3
⚫︎新たな数式を生まねばならない。きっとそれは次の人がぎりぎり踏み外すことのない足場となるはずだ。その数式は彼を沈黙させ、彼はしばらく別のところでうなだれて生きて行かなくてはならなかったかもしれない。しかしだ、その別の場所を育んだのはある死者の息づかいの跡であったかもしれない。そうして彼はある死者の跡を引き受けつつ、また別の人を生かしめるために別の場所に立ったのかもしれない。数式から外れる彼の暮らしは実はある死者の存在を事後、認めることであったのかもしれない。ある死者はひとりで死者になってしまった。しかし2024/08/12
Futta
3
第一詩集『生まれないために』のテキストを詩文庫になってはじめて読んだ。凄まじく良かった。
刻青
2
「丘の上〜」あたりから異様な緊張感が満ちてくる。強烈な技巧の持ち主であり、なんというか、皮膚感覚(アルトーの延長?)を持っているのはわかる。どんな崩壊の詩であっても、何かが詩に激しく信じられている、あるいは詩で信じているという確信が伝わり、ぞくぞくする感じがあった。とても理解できそうにないが、その強烈な技巧と噛み合わない痛みの感覚が味わえれば十分なようにも思う。こうも何かが痛まなければ通り抜けられない言葉の群れ。いろんな意味で言葉にならないな、と思う。「先端を想像すると、それは常に こちらを向いている」2023/09/02
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