目次
詩集「われアルカディアにもあり」から
詩集「越冬賦」から
詩集「廻廊」全篇
詩集「薔薇・悲歌」から
詩集「緩慢な時」から
詩集「啼鳥四季」全篇
詩論・エッセイ
作品論・詩人論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
3
一時は「言葉はもう狂うよりほかに考えることもない」と書くほどだったが、日本的なモチーフや叙情と合流し、玄妙な宇宙観をともなった詩を展開する。正直言うと、そっちに行ってしまうのかと読みながらはらはらした(石原吉郎のようになるのではと)。が、エッセイの中でも語られているように「晩年」の意識というか枯れた空気とともに、実はこの人のもうひとつの持ち味であるところの伝奇的、ファンタジックな世界がぐっと身近に迫ってくる。言葉の持って回った使い方にはやはり苦労するのだけど、もう少し真剣に向き合えばよかった。2014/08/21