内容説明
今日の代表的詩人を網羅し時代の言葉の可能性を最も遠くまで展望した最大かつ最高度の詩集シリーズ。既刊詩集の全て、数多くの未刊詩篇を収録。主要詩論、クリティック、エッセイなどを収録。多彩な書き下し作品論、詩人論を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
6
思ったより感覚で書いている人で、身体がそのまま詩に表れていると考えてよい。世界は吉岡実という詩人を通して蝟集するかのごとく形をなし、猥雑な風景を読者に提示する。詩人が偏愛するところの卵の中に孕まれている混沌のイメージ、それが詩人であり詩であるのだと。そうして内部で純化された詩はきれいに整えられるわけではなく、引用という外の声をも引き込んで混乱を極める。まともに読める詩かというと厳しいが、混沌を周到に見せてくれる(排泄のイメージも多用される)攻めの姿勢は大いに評価したい。2014/05/11
komamono_rimi
1
今さらながら全詩集ほしい。2023/01/29
なかたつ
1
続です。主に後期吉岡実詩集が納められている。前期は「静物」にもあるように静謐さを感じたが、後期作品はどこか残酷さやファンタジーを感じさせるものがあった。私の身近にいる教授が「吉岡は個人的な神話である」と述べており、『サフラン摘み』がその絶頂であるか。この詩集全体の最後の詩篇『夏の宴(西脇順三郎先生に)』が印象的。「蛾は月をめざさず/濁世の家の灯をめざす」他は『内的な恋唄』『示影針(グノーモン)』も印象的であった。2012/04/28
岡部淳太郎
1
続続をとっとと出せという感じがするが。『薬球』『ムーンドロップ』読みたい。
7ember
0
一緒に収録されている大岡信との対談が、二人の息が合っている感じで、個人的にはなかなか面白かったです。2016/09/04