内容説明
今日の代表的詩人を網羅し時代の言葉の可能性を最も遠くまで展望した最大かつ最高度の詩集シリーズ。既刊詩集の全て、数多くの未刊詩篇を収録。主要詩論、クリティック、エッセイなどを収録。多彩な書き下し作品論、詩人論を併録。
目次
詩集〈家庭教訓劇怨恨猥雑篇〉から
詩集〈完全無欠新聞とうふ屋版〉全篇
詩集〈やわらかい闇の夢〉から
詩集〈見かない隣人〉から
詩集〈家族の日溜り〉から
詩集〈日々涙滴〉から
詩集〈家の中の殺意〉から
詩論(闇の言葉に向かって;詩というものの存立を考える)
詩人論・作品論(新しい詩人;ノート・鈴木志郎康)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
5
あ、離婚して再婚してる…(察し)。それはともかく、いや関係しているのかもしれないが、前衛的で押し付けがましくも感じられる詩から、日常を平易な言葉で描く詩へとがらりと作風を変える。ここで現れるのは見る/見られるの意識の変化で、露出狂的な姿勢から、実質をともなった他者の眼に見られているという認識への移行である。また、そうやって客体化された自他がただのモノでしかないというような存在の根源的な恐怖もつきまとう。外からの視線の下に、自分も人も本来の在り方をいかに覆い隠して生活しているのかが、あらためて問い直される。2014/06/14
うりこ
3
1994年発行。続でない方は、未読。だから、プアプア詩はまだ通過していない。『やわらかい闇の夢』のマリの詩、いいなあ。『家族の日溜まり』の死の書き方、いいなあ。壊して、壊して自分の詩を作ってきた人は、見たものを書いていく。ただただ描写し、正直に書くことで、私を引き付けて話さない。すごい詩人だと思う。2021/05/31
しお
2
正直、過激で読めない詩もあったが、我慢強く読んでいくとあ、いいな、と思える詩がいくつか見つかった。「青草の上に」「母の死」が良かった。2022/06/14