目次
詩集〈グレンデルの母親〉から
詩集〈諸国の天女〉から
詩集〈大いなる樹木〉から
詩集〈美しい国〉から
詩集〈焔について〉から
詩集〈薔薇詩集〉から
詩集〈山上の死者〉から
詩集〈海は陸へと〉から
〈続永瀬清子詩集〉から
詩集〈あけがたにくる人よ〉から
エッセイ(「午前2時の手帖」から;「竹の葉」と「沓」;微少なものへの味方;幻の二頭馬車―その鎖状態の進み;自筆年譜 ほか)
研究(内部と外部―『焔について』をめぐって;ひとりの日本の女;詩人の成熟の意味)
解説(伝える、伝えられる;永瀬清子への独白)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
113
詩魂と情熱がぶつかり合って、生み出されるのが永瀬清子の詩である。どの詩にも詩を求められずにはいられない強い情熱が感じられる。この詩人の場合は、生きることと詩を書くことが、一致していたのではないだろうか。芸術の世界に閉じこもることなく、現実の世界で詩を書いていこうと姿勢は、清々しく美しい。農作業をしながら着想を得た詩は、五感が全開になって、自然の美しさをすべて受け入れていることが分かる。詩を書くときも体を動かすことは大切なのだ。もっともっと読まれていい詩人だ思う。2016/10/07
なおこっか
3
永瀬清子の名を知ったのは、確か若松英輔氏のTwitterで、若松氏は志村ふくみ氏からその名を知らされたのだ、と。永瀬清子というひとは、幼稚園は中原中也と一緒で、宮澤賢治に感銘を受け、佐藤惣之助や萩原朔太郎、高村光太郎を慕ったひと。焔の熱さと刃の鋭さを内包しながらも視線は外の世界を見逃さず、星の世界を仰ぎ見、家と畑を守り、しかしながら彼女の強い渦に最終的にはのまれてしまうような、とても印象的な女のひとだった。読みながらなんだか、Coccoのうたを想った。2020/11/16
ロクサン
3
草を刈る。筍の皮を剝く。泥で汚れた爪の先。頬被りから顔を上げ見やる野山。炊事場の静けさ。女は、娘であり、妻であり、母であり、そして、いつだってどうしようもなく、ただただ女なのである。生まれ、老い、絶えゆくまで、ずっと。女であること。ほどけぬ呪縛、鎮まぬ焰。 [追記]まさかの二段組だった本書。微妙なところで一節が改行されるという悲劇…詩集でこれってどうなんだろか。2012/04/23
yuki
1
素敵な詩人を発見した。2016/05/19
さかもとももこ
1
人に薦められて。日本の女性詩人の本をまともに読むのは初めてだったけど、こんな人がいたんだと驚いた。2015/12/20