感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
6
一見して目立つのは動物が多く登場することで、これは技法として擬人化を用いているというのはもちろん、もっと根源的に動物への強烈な共感が込められていて、それは生命の奥処にある形而上的な広がりに通じている。この広がりに和して書かれる詩はシャーマン的で、時間的にも地理的にもとにかくスケールが大きい。地球的な感覚といってもよい。おそらく自身の来歴からアジアの情景を書くことが多く、詩人論を寄せる荒川洋治への影響を考えてもいいかもしれない。2015/03/29
kentaro mori
2
⚫︎肉の上に肉/草の上に草/海の上に海//魂はいつも二重にうたう/太陽の上にもう一つ太陽が (PROMETHEUS)⚫︎愛のためにわれわれは/河を渡る二つの花粉ではいけないか/二つの巨大な身体を合わせながら/雷鳴を信じ青い穂のように一つになれないか/かつてあのようなものであったのは/それには完全な理由のあることだから/なぜなぜと互いに問うことなく/あの劫初のかすかな叫び一つで/愛の成就に足りないか (記憶)2025/07/16
岡部淳太郎
0
好きな詩人のひとり。