感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
7
前に雑誌「詩学」で初めて触れてから折々読んでいたのだけど、ようやくまとまった形で読むことができた。現実では生活の中にしっかりと足場を持ちながらもそれだけでは解消できない何かがある。その何かを求めて半身を闇に浸して片手で手探る運動が、魂の暗部の模様を散文詩の形で伝える。現実を屈折させればさせるほどに闇は濃厚で、この一冊の中でも屈折率の高そうなものほど読んでいて楽しかった。いや本当にこの人は詩を読む愉悦を味あわせてくれる。詩集を集めよう。2015/01/30
sk
3
詩と散文の二分法の無効さ。2009/07/19
有沢翔治@文芸同人誌配布中
2
粕谷栄市は、寓意的な散文詩を多く書いている。ほとんどは不条理な世界観で、短い詩だ。第一詩集『世界の構造』は主として暴力を材題としており、その延長線上に死があるが、社会と無関係でない。ベトナムの公開処刑などの不条理な死を扱っているのだ。また『副身』ではフィクションとは何かを題材としている。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51533112.html2024/03/17
弟子迷人
1
詩としてはもちろん、「超短篇」としても読めると思う。面白くて大好き。従兄弟の粒来哲蔵と一緒に読むのがお薦め!
桜井晴也
0
「――――たちこめる両世界の湯気のなかで、二人が何をするのか、訊かないでほしい。 /私たちは、別に、悪いことなどしないのだから。亀頭のあるものを尺度にして、ただ、何かの熱さを測るだけなのだから。何かの深さを測るだけなのだから。」2010/11/11
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- 和書
- 密事 講談社文庫