現代詩文庫<br> 北村太郎詩集

現代詩文庫
北村太郎詩集

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  • サイズ B6判/ページ数 151p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784783707608
  • NDC分類 911.56

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

8
「空白なんてものはどこにもありはしない。僕たちが、僕が、君が、そして個人個人が息も絶えずに存在している限り絶対にない」(「孤独への誘い」85ページ。)2019/02/24

misui

7
「なぜ人類のために、/なぜ人類の惨めさと卑しさのために、/私は貧しい部屋に閉じこもっていられないのか。」(「センチメンタル・ジャーニー」) 「荒地」の詩人。基調として人生への諦観のごときものがあって、だからこそ饒舌に流れている節がある。時に崩れがちな独白口調、俳句的叙情への接近などは、詩人の感じていたもどかしさとそこからの解放を求める心を思わせる。詩壇時評、音楽や文学や風物に関する文章を読むにつけ、どうしても黙っていられない人なのだなと。2015/01/11

sk

3
何気ない情景のように見せかけながら深い詩情が湛えられている。このような潤いのある角の取れた叙情を生み出すためには、非常に繊細な感性が必要であると思う。こういう詩を書く人が「詩人」なんだと思う。2016/01/15

午後

2
「ふふう ほうほう/ほうほう ほうほう みんな/骨になれ 骨にひたした水ほど/澄んだ水は、この世にないと/墓掘人夫の奥さんにきいたことがある/犬のようにくたばり、こおろぎの/ように踏みつぶされても、これほどの/慰めが用意されていたとは」 北村太郎「冬へ」より。 「怒りの構造」や「ながい夜」も好き。戦中戦後の混乱期を軽率に「ブランク」と呼ぶ先輩詩人たちに憤慨する詩壇時評が素晴らしい。自分たちの生を空白呼ばわりされて黙っていないという、真っ当な頼もしさ。詩以外のことに関する散文は特に面白くはない。2021/05/21

 

1
再読。例えば、「人はだれの代弁もできねえんだ分かっちゃいねえんだ」(「一律相反」)という言葉に、ハッとする。他の荒地派、鮎川信夫に顕著だが死者の「遺言執行人」の位置に自分を置くことで詩的営為を可能にしたのならば、北川冬彦の詩はそれに対する反措定、痛烈な批判の位置から詩を始めたと言える。故に、田村隆一や鮎川信夫がある意味で「(隠)喩」によって死者を表象=代行できると信じていたのに対して、北川の場合は極めて「散文」的な位置で詩を書くことで、「死者」の表象不可能性それ自体を指し示している。2021/09/16

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