感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フユコ
46
難しくてよく分からないのはとばし、そうじゃなく自分でも想像できるものは読めました。茨木さんの文は今まで多分余り読んだ事が無くて、本のおすすめ本にあった「汲む YYに」を紹介されていたのを読んで読みたい!と思って借りてきました。人前でしどろもどろになったりうまく話せない時は誰にでもあり、それをキラキラした瑞々しいもの、人を人と思わなくなった人よりどんなに素敵かみたいなのが書いてあってそれが凄く好きでした。後はお父さんをこえてしまった…?みたいな気持ち(悟り?)を布団の中で1人悶えてる様も面白かったです。2022/04/24
ねね
11
社会派と感じさせる詩もいくつかありますが、何というか、心に芯の通った女性なんだろうなあという印象。相容れないものも、ややあるのですが、やはり心にズンとくる詩もいくつかあるのです。「わたしが一番きれいだったとき」「こどもたち」「準備する」「せめて銀貨の三枚や四枚」なんか、凄く印象的ですね。ただ、一番好きな「依りかからず」が載ってないのが残念…。「怒るときと許すとき」なんか、女の心が最後には「自分で決める事」だと自覚する過程が好きだったりします。2015/02/11
ぽんくまそ
7
はじめは、この人の詩はぼくには合わないと感じた。退職して時間ができて部屋を片付ける際に断捨離しようとしたら、詩がグイグイ嵌ってきた。なぜだろう。特に初期の詩には早くに結婚した後でも今までの自他への好悪を言葉に絡めつつ同調圧力に逆らい未来へ諦めていない野望のようなものが底に煮えたぎっている。誘われて詩の同人雑誌「櫂」製作を始めた顛末についての思い出話が付いているが、熱い思いを持った若き詩人の卵たちが梁山泊のように集っていく様がマンガ家たちのトキワ荘を思わせる。2019/08/28
misui
7
詩人の姿勢があまりに毅然としており、かといって言葉を追い詰めすぎるということもなく、伝達のために研ぎ澄まされた強い詩には背筋を正される。戦争やあるいは全体性によって失われたもの、受けた傷をもとに社会をプロテストする様は小気味良いし、同じ傷を持つ者に対する目線は戦友に対するように爽やか。長詩「りゅうりぇんれんの物語」の事実の重さにも圧倒された。また、巻末の「「櫂」小史」はありし日の詩人たちの若やぎが感じられてとても良い。ただこれを読むとあなたにもちゃんと青春はあったじゃないかと思うのだけど。2014/06/07
sk
2
この時代の女性はこういう感覚だったんだな、と。2012/11/04