目次
1 毛沢東からフリードリヒ・バルバロッサまで(揚子江の毛沢東:行動力、そして漂うままに;泳ぐ悦びの史的証言;溺死の象徴学)
2 泳ぐ(先頭泳者カール大帝;水泳の階級;アウグストゥス帝を継承する技芸としての水泳)
3 編む(波打つ髪を編む;猛獣との交戦;動物園と織り物の至福感)
4 眼前に彷彿と(象牙製二つ折り彫板;ブロンズの熊;テオドリクスの騎馬像)
5 鏡面化(彫塑対象としての獅子;鏡面となるブロンズ;反映の世界)
著者等紹介
原研二[ハラケンジ]
1978年東京大学人文科学科大学院独文学博士課程中退。名古屋大学教養部ドイツ語講師。1981年ウイーン大学人文学部演劇学科留学(1983・9帰国)。1986年東京都立大学人文学部独文学研究室助教授。1996年東京都立大学人文学部独文学研究室教授。2007年大妻女子大学比較文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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毒モナカジャンボ
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カール大帝が共同体構築・国家支配のためにシンボルを重要視していたかを水泳、体毛、銅像、鏡など多面的なカテゴリーから考察する。水泳は浴場や河川において身分を超えて行われることで平等化を促し同時にカールの傑出性を明らかにすること、古代ローマにおける水泳教育の文脈に接続されることで支配の正統性を強化すること。頭髪・髭を揃えることで一族のシンボルを形成すること。東ゴート王セオドリックの像を己に重ね合わせることの効果と宗教政治的危険性……誤字脱漏と思われる部分が多いのが残念。2019/03/03