目次
序論 精神分析の理論と治療についての解釈学的見方の批判(「科学主義的自己誤解」という解釈上の伝説;精神分析に関するハーバマス哲学の批判;精神分析に関するリクール哲学の批判 ほか)
第1部 精神分析的研究の臨床的方法―道案内か、落とし穴か(フロイトの理論は経験的にテスト可能か)
第2部 精神分析の体系の礎石―フロイトの抑圧理論の基礎は十分か(精神神経症の原因は抑圧であるとするフロイトの議論を吟味する;錯誤行為に関する精神分析理論の検討―度忘れ、言い間違い、聞き間違い、書き間違い;夢の扇動者としての抑圧された小児欲望―夢の顕在内容についての妥協モデルの批判的検討)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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極めて真っ当な精神分析批判の書。「精神分析は科学ではない」として精神分析の思考の独自性を擁護しようとするリクール、ハーバーマスらが一方にいて、他方ではおなじ主張でもって精神分析を退けようとするポパーがいる(ポパーの精神分析は反証不可能だとするテーゼは有名だ)。グリュンバウムはそれぞれ、前者には科学への無理解、後者にはフロイト思想の曲解を指摘。三者に対してはフロイトを擁護し、最終的には、精神分析が科学としての資格を備えているが、科学としては失敗していることを説得的に論証する誠実な論考である。2018/02/03
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