内容説明
先史古代以来の長い歴史と町人文化に近代の都市工業文明がはげしく融合した大阪という土地の歴史像はきわめて多元的でありマンダラ風でもある。本書は、これからの大阪の進むべき針路をより正しく読みとっていくために、新しい大阪の歴史像を求めていくつかの知的チャンネルにトライした共同研究である。
目次
第1章 江戸中期大坂町人の歴史像―西鶴の作品の再構成による
第2章 明治期造幣技術の近代化と大阪
第3章 大阪における近代的銅精錬業の発展―三菱大阪製錬所の事例
第4章 私設山陽鉄道による阪神間路線延長建設計画の策定事情
第5章 19・20世紀転換期における阪神地域とフランス―在神戸フランス領事館報告に見る阪神地域
史料篇(『1877年・日本内国運輸ノ性質并費用ニ関スル英国領事報告書』;戦間期大阪商工人の観たアメリカ通商事情―1918年・1932年;『三菱大阪製錬所沿革誌自明治廿九年至昭和九年』)