出版社内容情報
食品加工用機械による休業4日以上の死傷災害は、年間2000件近く発生しており、他の産業機械による災害に比べ特多い状況にある。身体部位の切断で障害の残るものがそのうちの1/4を占めており、職場環境の改善は急務である。
本書は、そうした現場の労働災害防止のコンサルタントが、それぞれの体験をもとに、労働安全衛生法の裏付けを持った職場改善の手法や注意点を記述した。
1.序論 そもそも労働安全衛生とはなにか:食品衛生と労働安全衛生/安全衛生はなぜ必要か/経営的視点から見た労働安全衛生/法令順守と要点/食品衛生スタッフとライン/安全衛生の考え方/安全枝姿勢を進めるために
2.食料品製造業の特徴と労働災害の現状-労働災害と労働基準監督署:労働災害とは/厚生労働省の取組み/日米英の労働災害の比較/労働基準監督署とは/労働基準監督署の全国監督実施状況/労働災害事例
3.食品工場の設備、管理、自主的安全衛生活動:設備/管理/労働災害の原因調査と対応/危険予知訓練/ヒヤリハットから学ぶこと/ヒヤリハット報告と再発防止/自主的安全衛生活動と災害発生率/リスクアセスメント
4.食料品工場の現場作業から見た労働安全衛生:現場における主な作業/食材および製品の調理に関する現場作業の重要事項/機械・設備および施設等の点検・整備・清掃に関する作業現場の重要事項/有害作業等
5.惣菜、弁当等を製造する中規模工場で実際に経験した留意点と災害事例:包丁/フライヤー/コンベアー/ミキサー/回転釜/ロール機/ニーダー/スチームコンベクション/マッシャー/スライサー/おにぎり成形機/ロボット使用の機械/遠心分離機/乾燥設備/缶切り作業/ガスレンジ/スチーム使用の番重洗浄機質/調理室/台車運搬/倉庫/掃除/高所作業/フォークリフト/エレベーター/留意点と災害実例のまとめ/災害発生時の対応
6.労働者の勤務体制と年齢構成から見た労働安全性:食料品製造業の勤務体制/労働者の年齢構成と労働安全性
7.雇用形態から見た労働安全性:就業規則/派遣労働者/パート・アルバイト・契約社員等/外国人労働者
8.元方事業者の下請管理:製造業における元方事業者としての関係請負人への指導ポイント
9.従業員の健康管理:健康診断/メンタルルス
10.快適職場の形成と福利厚生:職場の安全・快適化の必要性/快適職場とは/オフィスの環境衛生基準/オフィスの禁煙・喫煙室の設置/ソフトとしての快適職場/企業内マッサージルーム
11.安全で健康な職場環境づくりの進め方:全衛生管理体制/文書・記録の整備/作業標準・作業手順/トップの姿勢/安全衛生教育
日本労働安全衛生コンサルタント会[ニホンロウドウアンゼンエイセイコンサルタントカイ]
著・文・その他
目次
序論―そもそも労働安全衛生とはなにか
食料品製造業の特徴と労働災害の現状労働災害と労働基準監督署
食品工場の設備、管理、自主的安全衛生活動
食料品工場の現場作業から見た労働安全衛生
惣菜、弁当等を製造する中規模工場で実際に経験した留意点と災害実例
労働者の勤務体制と年齢構成から見た労働安全衛生
雇用形態から見た労働安全衛生―実行すべき事項との関連
元方事業者の下請管理―下請企業の安全確保
従業員の健康管理
快適職場の形成と福利厚生
安全で健康な職場環境づくりの進め方
著者等紹介
伊藤史子[イトウフミコ]
北海道大学医学部卒業後、同大学及び金沢大学で公衆衛生・労働衛生の研修後、医学博士号取得。東京都衛生局、東京都特別区(保健所長)に勤務し保健衛生行政に従事する。この間、1979年労働衛生コンサルタント資格取得。日本医科大学衛生公衆衛生学教室非常勤講師(1988‐1998年)を兼任。目黒区保健所長・健康推進部長を経て2007年、伊藤産業医・労働衛生コンサルタント事務所を開設。現在、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部(副支部長)、(認定)NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構(理事)で胃がんリスク検診の自治体、企業への普及・啓発を実施
鬼木裕之進[オニキユウノシン]
熊本工業専門学校(現熊本大学工学部)工業化学科を1948年に卒業して、三菱化成工業(株)(現三菱化学(株))に入社。同社黒崎工場無機化学部門、次いで合成化学部門において運転管理の業務に従事。その後本社企画部、坂出工場管理部、同環境部長を歴任。系列会社日興酸素(株)に転属し取締役工場長、常務取締役技術部長、専務取締役を歴任。1993年日興酸素(株)専務を退任。(有)鬼木安全技術研究所を設立して、労働安全衛生コンサルタントおよび技術士(化学部門)の業務を開業
森本磨瑳雄[モリモトマサオ]
東京大学工学部機械工学科卒業後、新日本製鉄八幡第3ストリップ工場長、建設本部圧延2部長、世界最初の「深絞り用冷延鋼板の連続焼鈍技術と設備」を君津製鉄所に責任者で計画、建設、操業した。1974年日本製造技術最高の「大河内記念賞」を受賞。この技術を世界で利用している。君津冷延部長、スカイアルミ(株)取締役深谷工場長、22年間総括安全衛生管理者で多くの災害を見聞きした。1991年技術士(金属加工)、労働安全コンサルタント(機械)資格修得、製麺、製パン、給食組合の診断、長期のA級ホテル、10年継続の食品加工業(惣菜、弁当など)工場の毎月巡回、安全委員会に出席、業種特有の労災、パート、外国人、派遣、非正規雇用の実態を知る
山室栄三[ヤマムロエイゾウ]
金沢大学工学部工業化学科卒業後、日本IBM(株)藤沢事業所、野洲事業所生産技術部、安全衛生部門、半導体安全衛生管理部門勤務。その後、IBMアジア・コーポレーション本社勤務を経て日本IBM本社、IBM人財サービス(株)勤務。1988年オーストラリア国立安全評議会の労働安全衛生管理士コース、1989年シドニー大学労働衛生コース修了。1992年労働衛生コンサルタント(衛生工学)資格取得。2007年山室ウェルビーイングコンサルタントオフィス開設。2008年日本労働安全衛生コンサルタント会理事、同東京支部理事、事務局長就任。2010年より東京支部専務理事。OSHMS監査員養成セミナー講師。中央労働災害防止協会安全衛生教育センター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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