出版社内容情報
誕生から死までの一生の期間、全ての人間の生活活動は脳によって支配されている。そして脳そのものの充実と機能化の構築に食べ物が大きく関係していることが解明されてきた。本書は脳の仕組みから脳を支える栄養素、脳機能の反映した行動と栄養との関わり、そして脳機能に影響を及ぼす食品成分について取り上げた。高ストレス社会、高齢化社会の中で、充実した人生を最後まで尊厳をもって全うするためには健全な脳機能を維持していくことは極めて重要である。本書は脳にとっての最適な栄養条件とは何かという事について随所にその方向性を示した最新の書である。
緒論―食べ物と人間の行動/脳の仕組みと神経細胞/脳機能を支える栄養素/脳機能と栄養条件―脳と栄養の接点―/脳機能活性で注目される食品成分
横越 英彦[ヨコゴシヒデヒコ]
編集
内容説明
本書では、脳の受ける栄養制御について述べる前に、第2章では、脳の仕組みと神経細胞(ニューロン)について解説し、第3章では、脳機能を支えている栄養素について記述した。まず、脳を構成するにも、脳機能を維持・発達させるためにも、全ての栄養素が必要であることを再認識するためである。次いで、第4章では、脳機能を反映した幾つかの行動に対し、栄養がどのように関わっているかを取り上げた。そして、第5章では、最近、様々な角度から、脳機能に及ぼすことが明らかになりつつある食品成分について取り上げている。
目次
第1章 緒論―食べ物と人間の行動(栄養学と脳との出会い(研究の歴史)
脳科学から見た栄養学への現代的要請)
第2章 脳の仕組みと神経細胞(人間の体における脳の役割;神経組織と情報伝達 ほか)
第3章 脳機能を支える栄養素(炭水化物;脂質 ほか)
第4章 脳機能と栄養条件―脳と栄養の接点(食欲・摂食調節―タンパク質およびリジン欠乏の場合;血圧調節 ほか)
第5章 脳機能活性で注目される食品成分(ホスファチジルセリンと脳機能;DHAと脳機能 ほか)
著者等紹介
横越英彦[ヨコゴシヒデヒコ]
1970年京都大学農学部卒業。1975年名古屋大学大学院農学研究科博士課程満了。1976年農学博士。同年名古屋大学農学部農芸化学科・栄養化学研究室助手。1983年マサチューセッツ工科大学(MIT)文部省在外研究員。1987年静岡県立大学食品栄養科学部助教授。同年以降、ウィスコンシン大学やMITと共同研究。1933年静岡県立大学食品栄養科学部および同大学院生活健康科学研究科教授、現在に至る。昭和58年度日本農芸化学会奨励賞受賞。平成14年度栄養士養成教育功績表彰(全国栄養士養成施設協会)
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