セレクション社会心理学
人を傷つける心―攻撃性の社会心理学 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784781912912
  • NDC分類 141.6
  • Cコード C3311

内容説明

攻撃性は、人類社会における最も悲惨な出来事の数々に関与していることから、心理学の誕生当初より強い関心をひいてきた。本書では、それらの暴力事象や紛争事件の背後に共通して存在する心理社会的プロセスに焦点をあて、近年の理論展開を追いながら攻撃性の本質に迫る。旧版では、攻撃性に関する3つの理論的立場である内的衝動説・情動発散説・社会的機能説を枠組みとして、攻撃性研究を体系化した。新版においては、旧版刊行以降におけるそれらの新たな進展や新しい研究について取り上げ、攻撃性の理論的展望を論じている。

目次

人間の攻撃性―地球上でもっとも凶悪な存在
第1部 攻撃は本能か(死の本能説―おのれに背くもの;生得的攻撃機構説―悪の自然誌;殺人適応形質理論―暴力の進化心理学)
第2部 攻撃は情動反応か(欲求不満説―ストレスと攻撃;不快情動と攻撃―衝動的攻撃性)
第3部 攻撃は機能的か(意思決定理論―戦略的攻撃性;社会的情報処理モデル―攻撃的認知の形成;攻撃適応理論―資源コントロール)
第4部 攻撃の統合モデル(二過程モデル―衝動システムと熟慮システム;一般的攻撃性モデル―状況と個人要因の相互作用)

著者等紹介

大渕憲一[オオブチケンイチ]
1950年秋田県に生まれる。1973年東北大学文学部卒業。1977年東北大学大学院文学研究科博士課程後期中退。現在、東北大学文学部教授(社会心理学講座)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

16
やたらとそこら中に向けられる攻撃性は困りものだけれど、社会の中で生きていく上で、特に自分に対して友好的ではない他者と対峙していく上で、攻撃性というものが皆無ではおそらくやっていけなくなる。その衝動が高まることで相手に実害を与えてしまうかどうかはまた別の問題だけれど。ネガティブなものでもポジティブなものでも人間が進化の過程で身につけてきたものは必要だったのだ。利用の仕方と程度問題。これに尽きる。自分の内側で湧き上がる攻撃性だって上手く利用して糧にしてやろう。2023/12/03

yurari

2
フロイトは何でもかんでも性で説明する人、と思っていたが、後期には攻撃理論も提唱していたのが意外だった。性的な攻撃性→自我機能としての攻撃性→死の本能。第一次世界大戦が発生し、人間の凶暴さや残虐さに激しい衝撃を受けた事が理由だそうだ。2021/11/22

ひるあんどん

1
図書館本。『人を傷つけるような行為をする人は、どんな心持ちでそのようなことをするのか?』を、つらつら考えていた際に偶然、知り得た本。〇▲説やら▲〇論やら思った以上に専門的だったが、説明が丁寧だったので、分かった気になるくらいには読めた。身近にいる攻撃的傾向の強い人の行動を思い出しながら読んだのが良かったのかも(笑) 今までは、攻撃行動に至るまでの諸要因や経過を、経験的な推測で漠然と捉えていたが、自分の中で少し体系的にまとまってきたような気がする。再読したかったが返却期限到来のため、次の機会に。2020/08/29

hanan

1
面白かった!「攻撃の二過程モデル」に超納得。詳しくはmixiレビューに書きました。2015/12/12

新橋九段

0
「攻撃性」について包括的に解説してあるが、いかんせん情報量が多いからわかりにくさを感じる部分も。必要な部分をかいつまんでみるのがベストか。2013/08/26

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