内容説明
我々の周囲には様々な「厄介な」問題が山積している。それらを何とかして解いていきたい。特に、難易度の高い問題に対して、最適な解が無理だとしたら、準最適な解でもいいので何とかして見つけたい。ここで(人間も含む)生物、そしてその集団からなる社会を観察すると、色々と示唆に富み、様々な着想を与えてくれる。特に工学的な最適化問題において、「良く定式化された」問題に対してはアルゴリズム、そして線形計画法や動的計画法などの手法が確立されているが、現実には、そうでない問題のほうが圧倒的に多い。そこで、生物に学ぶ、または生物を模倣することが、有望な手段の一つとして浮かび上がってくる。このような観点から、生物ないし社会のメカニズムをモデル化して工学に応用しようとする動きが、少し前から活発化してきている。本書は、その代表的なテーマ4つを取り上げ、解説したものである。
目次
第1章 はじめに
第2章 ニューラルネットワーク
第3章 進化的計算と遺伝的アルゴリズム
第4章 強化学習
第5章 分散人工知能
第6章 ゲーム理論と生態系進化
第7章 将来に向けて
著者等紹介
吉田紀彦[ヨシダノリヒコ]
1981年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。(株)三菱総合研究所、九州大学助手、同助教授、長崎大学教授などを経て、現在、埼玉大学工学部情報システム工学科教授
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