出版社内容情報
宮台真司[ミヤダイシンジ]
著・文・その他
内容説明
あさましい社会に承認される「いい人」なんかには、死んでもなってはいけない。「金の切れ目が縁の切れ目」のクソ社会と、いっこうにモテる気配のないきみ自身の生き方とを、徹底的に考える。学校でも家でも教えてもらえなかったリアルな知恵満載。
目次
1時間め いつまで続く?死のマラソン(自殺がとまらない国、ニッポン;なにが犠牲にされたのか ほか)
2時間め 悪い心の共同体(“任せてブーたれる”社会;「便利と快適」の薄っぺらい中身 ほか)
3時間め 「うまく」生きればモテるのか(A君十六歳、彼女ナシの末路;「承認=モテ」こそ、えらいヤツの証 ほか)
4時間め “内発性”白熱教室(ライフスタイルから“ソーシャルスタイル”へ;反論します ほか)
著者等紹介
宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年、宮城県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院博士課程修了。社会学者、評論家。現在、首都大学東京教授。国家の成り立ちやその権力構造を数学の理論で表す数理社会学を経て「オタク」を含むサブカルチャー研究へシフトし、さらにはブルセラ、援助交際のフィールドワークからオウム真理教と、性愛、宗教、教育、政治、国家権力までさまざまな分野を横断(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
56
ヤングアダルト向けの講義風読み物。いかに日本が「クソ社会」であることと、その原因を解説し、日本全体を「いい社会にすること」は不可能だけども、身の回りから少しづつよくするにはどうすればいいかを語る。他人を幸せにすることをしていくのだという。(「モテる」とは他人から承認される人間になれという)そのためにはコミュニケーション能力を経験から高め試行錯誤するのだという。突っ込みをいれたいところもあったが、言い方にいろいろ癖があり乱暴であるが実に真っ当な内容で驚いた。スローフード運動の真意など興味ぶかかった。良書。2017/05/23
H29リオのカーニバル
43
自殺者年3万人の依存してブーたれるダメダメな今の社会で、いい人で生きるヤバさに鋭く切り込み、コミニティの大切さや人を幸せにできるモテる生き方を提唱する。現在の日本の抱える問題の背景を読み解く優れた考察が秀逸です。2016/11/29
ばりぼー
41
日本の自殺率は世界ワースト3位で、アメリカの2倍、イギリスの4倍という高い数値を叩き出している。孤独死や無縁死の問題を見ても、今の日本は社会とのかかわりが失われ、「金の切れ目が縁の切れ目」となってしまった。日本は物質的には便利で快適であるが〈任せてブーたれる〉社会である。日本では「郷に入りては郷に従え」という同調圧力が働き、「空気に逆らえない」合理性欠如の態度が顕著である。依存から自立へ。人が幸せになるには「他者からの承認」が必要であり、人から理解され肯定される「包摂」のある社会は生命の安全を保障する。2017/12/07
fishdeleuze
15
この「クソ社会」をどう生きるか。ジュニア向けに平易に書かれているが(タイトルと装丁はえらいおちゃめだが)、内容は至極真当。キーワードは内発性と利他だ。内発性すなわち内から湧き上がる力を有するためには、何度も試行錯誤し、たくさん失敗し学び、自らの内から力が湧き上がるよう長い時間をかけて鍛錬していかなければならない。そしてそういう人が少しでも増え、利他的な行動を取る人が増えれば社会はいまよりよりよく回っていく。幸福度が上がっていく。宮台流幸福論。2015/10/06
0kaeri
15
頁数に比べ、内容もはっきりしていて、特に大学生の教える教わるはためになった。モテるっていうのとは違うけど、人に興味をもってもらいたい。2015/02/01
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- 小説星守る犬