出版社内容情報
北嶋廣敏[キタジマヒロトシ]
著・文・その他
内容説明
日本人が日常生活のなかで使っている漢字は2000~3000字程度といわれ、「常用漢字」では現在2136字が選定されている。このように私たちはふだん多くの漢字と接しているにもかかわらず、たとえば「毒」という字を前にして、どうして「毒」のなにか「母」がいるのか、といったことをいったん考えてみると、じつはよくわからないことが多い。本書では1頁に付き1つの漢字を取り上げ、その字源(成り立ち)について謎解きを試みた。
目次
第1章 「寒」の下部の2つの点は何なのか(ア行~カ行)
第2章 「道」になぜ「首」があるのか(サ行~タ行)
第3章 「暮」になぜ「日」が2つもあるのか(ナ行~ワ行)
著者等紹介
北嶋廣敏[キタジマヒロトシ]
1948年、福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。短歌・美術の評論でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
77
普段何気なく使っている漢字。今から約100年前その起源であるB.C1300年頃の殷の甲骨文字が発見された。その文字数は5千字弱。例えば「人」、人と人が支えあうなどということは勿論なく、前屈みの人間の姿を横から見たもの。「思」の田は頭蓋骨(脳)を表し、頭と心で考えること。その「心」は心臓をかたどった象形文字。「月」は三日月の形から、「愛」とは心が何かにひきづられ後ろを振り向きながら歩くこと。「色」の意味は18禁。読んでのお楽しみ。とにかく一度知ると形だけで漢字の思いがあふれ出す。172文字の世界へようこそ。2020/05/08
マカロニ マカロン
8
個人の感想です:B。漢字を発明した人がいる。神話上の皇帝である黄帝に仕えていた蒼頡(そうけつ)という名の人物。蒼頡の肖像画には目を四つ書かれている(三才図会)。蒼頡が文字を作りだしたとき、「天が粟を降らせ、鬼が夜半に哭いた」(淮南子)らしい。「看」は手+目。目の上に手をかざしてしげしげとよく見ること。転じて、見守る、世話をするという意味になった。「咲」を咲く意味で使っているのは日本だけ。元々は笑うという意味で、咲いた花は口を開けて笑っているように見える。字源に関して書かれた内容はどれも興味深い。2018/09/12
_sakadon_
0
漢字の成り立ちの本。昔白川静の本を読んでいろいろ知りたく思っていた。こういう読みやすいのも面白い。小学校の漢字ドリルにも一部は乗っていた覚えがあるけど、今もあるんだろうか。2019/04/29
ま
0
一文字の中に意味を込めようとしたらそりゃ紆余曲折あるよな~。なかなか感心したが、あんまり深入りすると普通に文章を読めなくなりそう。「色」の項は笑った。あと生まれた子を一旦水に流すとかいう謎習慣。一字につき一ページで解説してるからどうしても説明不足の項があって二、三回読み返してしまって、同じ内容なら文量少ない方が読む時間は短いとは限らないんだなって思ったりもした。2018/09/09
ぱぱちん
0
漢字のなりたちという「字源」を一つの漢字毎に説明されている本。 金八先生曰く「人という字は人と人が支えあっている」のはうそで、もともと人を横から見たものだったり、「色」という字がひざまずく女性を男が背後から抱いている(後背位)の様子であるなど、うんちくのネタになりそうなものが多かった。 ただ、それぞれの漢字で「なぜ~なのか?」と質問しているのに的確に答えていないのはいかがなものか?もう少し突っ込んだところまで説明してほしかった。 2018/06/20