出版社内容情報
武田知弘[タケダトモヒロ]
著・文・その他
内容説明
明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。一九世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗しうる軍事力を整え、世界の強国にのしあがったのである。しかし、「その資金はどこから出たのか?」―その答えについて、これまで明確に語られることはなかった。世界史の常識ではありえないような改革の数々、経済の活性化と急成長。そこからは、われわれ日本人がいままで持ってきた歴史観とは違う「明治の日本」、そして日本経済再生のヒントが見えてくるはずである。
目次
第1章 「大日本帝国」の資金調達
第2章 「規制緩和」としての明治維新
第3章 渋沢栄一と特命チーム「民部省改正掛」
第4章 空前絶後の「超高度経済成長」
第5章 新政府を悩ませた「悪の金融工学」
第6章 松方正義が完成させた金融システム
著者等紹介
武田知弘[タケダトモヒロ]
1967年生まれ。1991年大蔵省(現・財務省)に入省し、バブル崩壊前後の日本経済の現場を見て回る。大蔵省退官後、出版社勤務など経てライターとなる。歴史の秘密、経済の裏側を主なテーマとして執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAN
4
本屋でパラパラめくって「なんとなく」読み始めたが、読み進む中で先に読んだ上念司氏の「経済で読み解く明治維新」の続きを読んでいる感覚になっていた。経済的から観点から見た維新の元勲や、明治の改革、あまり知らなかった渋沢栄一や松方正義については勉強になった。最後に著者がアベノミクスに批判的だとわかり、上念司氏とは対立する視点を持っていると知る。その点についてはまだ自分としては結論が出ていないのが率直なところ。ただ明治の様々な改革は今見直す必要はあると思う。2018/03/08
oooともろー
3
このような視点で幕末~明治を考えたことはあまりなかった。江戸城無血開城の背景には財政難があったなど、とても勉強になった。特に松方正義の業績については認識を改めることができた。2019/01/28
一龍
3
経済という観点から歴史を見ると、また違った意味合いを発見できて楽しい。 確かに明治維新というのは超特大な規制緩和といえますね。2018/02/16
ロニ
0
だいぶ駆け足ではあるけど、明治維新の財政が垣間見える。大河ドラマに影響されたわけではない。2021/12/13
手ぬぐいゲッター
0
「松方デフレ」という言葉は見たことあったけど、どういうことかよく分っていませんでした。この本には、欧米の信用を得るために金本位制を導入しようとした。そのために正貨の保有を増やす必要がありデフレにした、というようなことが書かれていました。なるほどと思いました。2019/02/23