出版社内容情報
中村淳彦[ナカムラアツヒコ]
著・文・その他
鈴木大介[スズキダイスケ]
著・文・その他
内容説明
AV女優や風俗嬢など性産業に携わる人々を取材し、介護事業の経営者として辛酸を嘗めた経験も持つ中村淳彦と、セックスワークのなかでも最底辺の売春ワークに陥っている女性を取材し、自身も脳梗塞に倒れて貧困当事者の苦しさを痛感した鈴木大介。いま最も「地獄」を見てきた二人が目にした、貧困に苦しむ人々の絶望的な現状とは。性産業の問題から、教育・福祉・介護の悲惨な状況、そして日本社会の構造的問題にいたるまで、縦横無尽に語り尽くす。
目次
第1章 貧困とAV業界
第2章 貧困と性風俗
第3章 貧困と格差社会
第4章 貧困と子どもたち
第5章 貧困と中年童貞
第6章 貧困と日本の未来
著者等紹介
中村淳彦[ナカムラアツヒコ]
1972年東京都生まれ。大学卒業後、ノンフィクションライターになる。一時期、高齢者デイサービスセンターの運営に携わるも手を引き、現在は、ノンフィクション、ルポルタージュを中心に執筆
鈴木大介[スズキダイスケ]
1973年千葉県生まれ。「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
42
筆者ものは以前介護を滅多切りした内容で触れた。当著書はルポライター鈴木氏と表題に関して腹蔵なく語り合う展開になっている。が、読んで行くと筆者の脳内は当然というか、介護業界にすぐにシフトして行き、根っこがぶれていない感じ・・常軌を逸して余りあるカノ業界!やたら保護団体が登場することを述べているがミドルアッパークラスの想像力の限界は私も同感。そして今なお続く東京発信の文化、貧困のエンタテインメント化。内容が濃いだけに所々バイアスをかけて読むがそれなりに納得する箇所も多かった。2016/12/13
ユーカ
32
ルポではなく、ルポライター2人の対談。アンダーグラウンドな雑誌で、風俗や介護、暴走族なんかを扱ってきた2人が自然と目にすることになった、貧困について語り合い、貧富が二極化した日本の未来予想をしたりする。表題は“セックス”になっていて半分強はセックスワークの話題だが、虐待や介護現場、地方の話題もあったり。読み易いし、スッと頭に入ってくる。今まで貧困についてのテレビのドキュメンタリー番組をいろいろと見てきたけど、この本がよりリアルなんだろうなと思った。抵抗あるならカバーをかけて、みんな、読んでみて!2017/01/21
ねこまんま
28
貧困の現実をなんとかしなきゃ!とライター二人が対談している本。制度をなんとかしなきゃいけないことは分かってるんだけどねえ。介護や教育、雇用問題、関係ない人はいないと思う。「最貧困中年童貞」については本当に最近増えてると思うわ。2017/04/07
skunk_c
14
対談ものは読まないようにしているのだが、内容に釣られて買ってしまった。『最貧困女子』の鈴木氏と『名前のない女達』の中村氏は、サブカルや風俗を主に扱ってきたライターで、そこからセックスワークと貧困女性問題に切り込んでいったため、話が極めて生々しい。鈴木氏の熱いくらいの正義感と理想主義、対照的な中村氏の現実主義的なリアリズムというスタンスの違いが、かえって問題をくっきりと浮かび上がらせている。「中年童貞」に対する経験からの認識の違いや、教育現場に対するややステレオタイプな評価は気になるが、色々考えさせられた。2016/12/06
ぐう
13
仕事の資料で読みはじめたけれど、読んでよかった、本当に。というより、読まないまま生きなくてよかった。脳を直接タコ殴りにされたような衝撃だった。自分も貧窮寸前だから感情移入し過ぎなのか?とか、この本を批判する人もいるところにはいるだろうとか思うけれど、それより一回読んでくれと思う。教育問題も介護問題も雇用問題も全部ぶち込まれていて、関係ない日本人はまずいないはず。冷静な感想はしばらく書けそうになくて、つらい。でも読んでほしい。会える知り合いには本気で勧めてみる。2017/01/25
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