出版社内容情報
小島英俊[コジマヒデトシ]
著・文・その他
東郷和彦[トウゴウカズヒコ]
著・文・その他
内容説明
軍国主義華やかなりし昭和初頭、「空気」に抗って反戦平和を唱えた言論人たちがいた。斎藤隆夫、桐生悠々、水野広徳、北一輝、石橋湛山、石原莞爾、清沢洌。彼らの生涯を精緻に辿りながら、戦後の興味深い三島由紀夫・野中広務の対比も含め、通底する“合理的”避戦思想を再評価する。さらに特別対談として、クリミアから見た新冷戦構造、衝突寸前の日中関係、安倍総理の靖国参拝で揺らぐ日米関係、集団的自衛権問題などを、外務省欧亜局長、オランダ大使などを歴任した東郷和彦氏とともに緊急分析!
目次
対論 東郷和彦×小島英俊 この国は本当に戦争がしたいのか?
平和思想の近代史
「ねずみの殿様」斎藤隆夫の四二年間の奮闘
防空演習を嗤った桐生悠々
二〇年前から東京大空襲を予言した水野広徳
天才・北一輝の驚異
未来を見通せたエコノミスト・石橋湛山
陸軍唯一の哲学者・石原莞爾
国際通苦労人・清沢洌
戦前の「戦争と平和論」
戦後の「戦争と平和論」
皮肉なクロスロード・三島由紀夫と野中広務
著者等紹介
小島英俊[コジマヒデトシ]
1939年、東京都生まれ。東京大学法学部卒。三菱商事・化学品部門で国内外勤務。その後仏高級ブランドの日本総代理店として、食品関係の株式会社セデベ・ジャポンを設立し、代表取締役を務めた。鉄道史、旅行史、近代史をライフワークとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脳疣沼
2
東郷和彦氏の主張はごく自然なものだと思う。小島英俊氏の主張は少し違和感があって、その違和感は不自然だからである。机上の空論である所謂平和主義という縛りがあるために、わざわざおかしな論理を持ち出さざるを得なくなっているようだが、その縛りがおかしいのであり、単純に普通の国になればいいのではないかと思う。小島氏は普通の国ではなく、日本独自の戦略を持つべきだと言うが、それは”独自”という概念にとらわれすぎであって、集団的自衛権の行使を容認するようになったとしても、その上で独自外交は可能ではないか。2014/09/11
トーヘン
2
「論」の本だと思って読まなければ非常に良い本。「戦争するなら軍備が足らないし、避けるなら覚悟が足らない」はこの本の要旨であり白眉。 とはいえ、単なる事例紹介であり、本としてのまとめ方がイマイチの感じだった。特に最終章は着眼点が良いのに尻切れトンボで非常にもったいない。 近現代史をこういう視点で描く本は貴重だと思うので、これからも期待を持っていたい。2014/09/07