出版社内容情報
宮田律[ミヤタオサム]
著・文・その他
内容説明
中国共産党による弾圧と植民地化。民族独立をめざす新彊ウイグル人の抗いは、旧ソ連中央アジア諸国の影響やイスラム過激派の思惑と絡まり合いながら近年ますます過激化し、中国共産党一党独裁体制への脅威となりつつある。現代イスラム政治研究の第一人者が、現地取材により、中国が内包する知られざる少数民族弾圧の実態をつまびらかにする。
目次
第1章 中国共産党、少数民族弾圧の実態
第2章 ウイグル人の誇り
第3章 中国政府とウイグル人の対立構図
第4章 チベット弾圧との比較
第5章 中央アジアとウイグル独立派
第6章 中国によるウイグル包囲網
第7章 中国共産党のリスク
第8章 ウイグル民族問題の背景としての中国の危機
著者等紹介
宮田律[ミヤタオサム]
1955年山梨県甲府市に生まれる。1983年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院歴史学科修士課程修了。静岡県立大学国際関係学部准教授、現代イスラム研究センター理事長。現代イスラム政治研究・イラン政治史を専門とし、イスラム過激派の活動およびイデオロギーの解明をテーマに数々のイスラム国・地域を取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
14
中国のウイグル人問題を、キルギスなどの中央アジアの状況を含めて知ることができた。イスラム国と強引に関連づけて中国政府がウイグル人にますますひどい弾圧をすることが、最大の懸念。ただ…、宮田さんの叙述って、あちこちに話が飛んだり、方向がバラバラで、章立ての割に内容が違ったりして、どうも読みにくい。2015/02/18
Hatann
6
中国における新疆ウイグル問題を地政学的に分析している。国内の新疆ウイグルという局所的な問題にとどまらず、中国全体として抱える諸問題、中央アジアにおけるウイグル問題の位置づけ、チベット問題との比較などを含め巨視的に把握する。少数民族弾圧ともいわれるが、漢民族が民族浄化を主目的として弾圧することはない。清朝末期の国内テロ問題への対応に加え、ポストモンゴル帝国を巡る地政学上の意味からも新彊は重要だ。他方、国際経済的な連携の必要もあり、中央アジア各国の独裁政権と中国共産党との利害が一致してしまうところが悩ましい。2019/04/07
うえ
1
良書。新疆ウイグルでの民族浄化,強制中絶,強制移住,投獄,行方不明。ロシアがチェチェンで行っているように,民族差別を亡くすにはどうすれば?「その民族が存在しなくなればよい」を実行する中国共産党。ウイグル人がチベット人と違うのはダライ・ラマのような確固としたリーダーがいないこと。「ムスリムはテロリストという考えが漢人たちの間で普及するようになった」「ウイグル人たちが公徳心に欠けるという見方」2014/07/17
guanben
0
抵抗論理というからには、もう少しつっこんだ解説がほしかった。題名に釣られた。2015/08/17
牛田モー
0
テロリストのレッテルを貼ってアイデンティティを抑圧すればするほど、ムスリムたちの宗教心はより純化し活動は過激になっていく。ウイグル、チェチェン、アフガニスタン… 暴力は暴力しか生まない。ではどうすればいいのだろう? 折しもフランスで連続テロの報道、重苦しい気持ちで読了。2015/01/11