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出版社内容情報
地上に出れば消えると知ってのこの命、咲かせるために唱えよう!
稀代の人外絵師が、蝉の一生を独自の解釈で漫画にする。
個人誌として発行し、即完売となった表題作に、尼蝉法師(雌)視点の物語と、ほかの昆虫類との交流を描く短編描き下ろしを加え書籍化。
声優・三木眞一郎氏も激賞!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブラフ
20
これはすごい漫画だ。「蝉」の一生を漫画にし、雄雌両サイドから描く。クマゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、馴染み深い蝉たちの種類を「宗派」として見立て、地中で過ごす数年を修行、そして羽化して一人前の坊主となり、雌(尼僧)と番うために大音量で読経(鳴く)をする。たった数日の命だが、子孫を残すためにカラスや猫などの外敵に晒されながら大音量で命の限り番うために読経を叫ぶ雄たち。また尼僧(雌)サイドの話も良かった。ついこの週末から蝉の声が聴こえ始めた。これから夏が来るたび、蝉の声を聴くたび、この漫画を思い出すのだろう2024/07/08
真朝
16
最高に面白かったです。蝉への認識が変わりました。3人?3匹の雄の蝉の婚活。とはいえ生命がかかってて重い。雄の話が多いですが雌の話もあって両方からの面で楽しめます。私がネットで見たのは雌が先でその後雄の方を読んで商業化を知り買っちゃいました。買って損は無いです! 事実を混じえて書いてるので7年間も土の中いてその後土から出ても無事に羽化できるか分からない、羽化できても今度は飛び立てるか分からない…猫や鳥に食べられる危険性もあります。生命の力強さを感じる作品です。でもセミファイナルは私は相変わらず苦手です。2024/08/27
ナナシ
10
素晴らしい生命讃歌の物語。webで以前読んではいたが、それでもなお今回改めて読んで涙が溢れた。 まずキャラデザが秀逸だし、蝉達を法師と尼という設定にしたのもその死に様や生態から考えて腑に落ちる。蝉が羽化を失敗することは知っていたが、改めて地上に出るまで、羽化失敗、そして天敵に襲われ番えず…と膨大な死の上に繋いできた命だということを実感。あんなに叫んで天敵を呼び寄せる生き方、尋常ではない。 今回尼の物語は初めて読み、法師と合わせて素晴らしい余韻だった。この作者はいつもハズレがない。2024/06/20
わち ⊱^>ω<^⊰ฅ
6
蝉なんだよ。 感動しちまった。 皆、幸せになってほしかった。 数週間の命が立派に生きた。 ただただ夏を生きた。2024/07/30
桂木
5
生命讃歌。 素直に、なんの衒いもなくこの一語を捧げたくなる作品。蝉の声が聞こえる時季に読めて本当に良かった。物語もさることながら、生き物に対する愛と知識に裏打ちされたキャラクターデザインも見所。さすが本業。過去作「人馬」と「トルソの僕ら」も併せておすすめしたい。2024/09/12