出版社内容情報
人類史を横断する「人間以前のもの」の痕跡、
そこから見えてくる新たな自然と新たな人間の未来!
荒れ果てた産業林に生じたマツタケ採集のエコノミー、湖底に眠る泥が証す地質学的なカタストロフ……。
3.11をきっかけにメラネシアに渡航し、祖先以前の大地と向き合う人々について思索を重ねてきた人類学者による、生き延びるための思考とは何か。
著者メッセージ
本書の旅は、20世紀から21世紀に至る歴史のベクトルを「有限から無限へ」から「無限に媒介された有限」への転回として捉える視座を引き受けつつ、さらにその先に進むものであったと言える。(中略)「プラスチックが新たな地層となる」人新世の有限性を突き抜けて、その内部に再び無限――あるいは具体的・経験的な輪郭を持った無数の「他者」――を見出すことに、この時代からの解放と、新たな明晰さの獲得を賭けた。(中略)私たちが生きる高原は、今後ますます空気が薄くなっていくことがあらかじめ定められているのだ。この世界における生存と自由の可能性は、自らの足元と頭上にある力を認識し、その可能性を裂開させることにあるだろう。(終章「高原の裂開」より)
内容説明
荒れ果てた産業林に生じたマツタケ採集のエコノミー、湖底に眠る泥が証す地質学的なカタストロフ…。3・11をきっかけにメラネシアに渡航し、祖先以前の大地と向き合う人々について思索を重ねてきた人類学者による、生き延びるための思考とは?人類史を横断する「人間以前のもの」の痕跡、そこから見えてくる新たな自然と新たな人間の未来!
目次
第1章 壊れた世界の向こう側
第2章 死は地中にあり、掘ると染み出てくる
第3章 プラスチックが新しい地層になるとき
第4章 『もののけ姫』を読む
第5章 廃墟のマツタケ
第6章 人間の変容
第7章 自然の変容
第8章 星々の力
終章 高原の裂開
著者等紹介
橋爪太作[ハシズメダイサク]
1986年鹿児島県生まれ。人類学者。大阪公立大学准教授。東京大学教養学部を経て、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学科(相関社会科学専攻)にて博士号を取得。2011年、原発事故を契機として社会学から人類学へと転向し、メラネシア・ソロモン諸島にて長期フィールドワークを行う。関心領域は自然、イメージ、科学技術など。「起源の闇と不穏な未来のあいだ―現代ソロモン諸島マライタ島西ファタレカにおける社会変容の深層」(『文化人類学』87巻1号)にて第19回日本文化人類学会奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
takao
rewktk
文狸